経済面での依存度も高い。韓国からのベトナム向け輸出は昨年486億ドル(約5兆3000億円)を記録した。これは1992年の国交正常化以来最大だ。輸出の規模だけを見れば、この期間に121倍にまで拡大したことになる。米中貿易戦争によってグローバル企業が中国からベトナムに生産拠点を移そうとしているが、サムスン、LG、SKなど韓国の大手企業はベトナムへの進出や投資で先を行っていた。
今ベトナムは「新しい家族」と言ってもよいほど、韓国人男性との国際結婚の割合が高い国でもある。VNエクスプレス(ネット新聞)によると、年間6000人以上のベトナム人女性が韓国人男性と結婚しているという。この結果、ベトナムは中国を抜いて韓国に最も多くの嫁を送り出す国となった。韓国国民となったベトナム人妻はもちろん、その間に生まれた子供たちも今後は同じように韓国の未来を担う主役になっていくだろう。
ベトナム・メディアは「(韓国人男性との国際結婚は)常に童話のような結末にはならなかった」と指摘する。全羅南道霊岩で起こった今回の事件も「童話」にはほど遠い事件の一つとして記録されるだろう。ベトナム駐在の大使館や領事館では8日「反韓感情により韓国人が事件に巻き込まれる恐れがあるので注意するように」と会議で告げられたという。ベトナムのあるネットユーザーは「今回の事件は最初でも最後でもない」と指摘した。もちろん最初ではないだろうが、ぜひ最後になってほしいものだ。このままでは100人の朴監督が登場したとしても、反韓感情の高まりは抑えられなくなるだろう。
ホーチミン=イ・ミジ特派員