このカルコーサなる場所を、二人の刑事は探し求める。実はカルコーサとは、『悪魔の辞典』の著者アンブローズ・ビアスの短編小説に登場する言葉。フランスに実在する地名だが、ビアスははるか昔に滅んだ古都として使っている。チェンバースの詩は、『二重太陽』とすることで地球外だと示している。この『黄衣の王』は、『クトゥルーの呼び声』のH・P・ラブクラフトの小説『闇に蠢くもの』にも引用されている。ラブクラフトはSFとゴシック小説をミックスしてコスミック・ホラー(宇宙的恐怖)と呼ぶ作品世界を作り上げたが、彼の死後もプロやアマがそれをふくらませて、クトゥルー神話体系なるものを育て続け、そこに黄衣の王も組み入れられた。神話体系では、黄衣の王はクトゥルーと同じく太古に猛威を振るっていた邪神とされるため、クトゥルー神話を扱った数々のゲームやマンガに登場する。クトゥルー神話は要するにカルトごっこなのだが、時々、本気で邪神を崇拝したり、生贄を捧げたりする人がいるから困る。2005年5月25日のニューヨーク・タイムズ紙は、ルイジアナ州の、ポンチャトゥラという人口わずか6000人の町のホサンナ教会の牧師ルイス・デヴィッド・ラモニカ(当時45歳)ほか9人の逮捕を伝えた。ラモニカらは1999年から数年間、自分の教会の中で自分の息子を含む25人の子どもを宗教的儀式においてレイプしたと自供。警察は教会の床に悪魔崇拝に使う五芒星が描かれた痕を発見した。ラモニカらは、猫を殺して、その血を儀式に使ってもいたらしい。彼らが何を崇拝していたのかといった詳細は報道されていない。ただ、犯人の中には地元の保安官補もいた。証言によれば彼らは熱心なキリスト教信者だったそうだが、聖書や神を現実として信じるなら、悪魔の実在も信じることになるので、何かのきっかけで寝返ることもあるだろう。本作の脚本家ニック・ピゾラットは、この事件が構想のヒントになったことを認めている。劇中で被害者の体に描かれた青い渦巻きも事実に基づく。ウィキリークスが流出させたFBIのサイバー犯罪班への通達に掲載されていた、小児性愛者たちがネット上で互いを見分ける暗号。それが青い渦巻きなのだ。
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