聞き手・核と人類取材センター事務局長・田井良洋
世界が平和になるまで、僕は映画で「戦争は嫌だ」と伝えたい――。がんを公表後も映画を撮り続けている映画作家の大林宣彦さん(81)。戦争と広島原爆がテーマの新作完成を前に、戦時中の体験から作品に込めた思いを語った。
《日中戦争さなかの1938年、広島県尾道市に生まれた。父は軍医として日中戦争、続く太平洋戦争で出征。7歳で終戦を迎えた。》
僕は軍国少年でした。お国のために死ぬのが美徳と教え込まれた。でも本心では国と国との喧嘩(けんか)なんて嫌だなあ、戦争は嫌だという厭戦(えんせん)の思いをいつか伝えなきゃ、と。映画作家になる原点に「敗戦少年」としての体験があるんですね。
原爆投下の約2週間前、父が広島市内へ行くのに連れられ、原爆ドームの元の姿である産業奨励館を見ているんです。丸い緑の屋根がすごいなあって。投下の数日後、学校の先生から「巨大爆弾が広島に落ちた」と聞く。だから僕にとって原爆ドームは、二重の意味で衝撃的な存在です。
■「時かけ」に…
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