◆プロボクシング ▽WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦 ○レイ・バルガス(判定3―0)亀田和毅●(13日、米カリフォルニア州カーソン ディグニティヘルス・スポーツパーク)
暫定王者の亀田和毅(28)=協栄=は、正規王者のレイ・バルガス(28)=メキシコ=に0―3の判定で敗れ、王座統一に失敗した。体格の上回る相手のパンチをかいくぐりスピードを生かして果敢に懐に飛び込んだが、攻略の糸口をつかみ切れず、王座から陥落した。亀田の戦績は36勝(20KO)3敗、5度目の防衛に成功したバルガスは無敗の34勝(22KO)。
ジャッジ3人が117―110でバルガスを支持する完敗だったが、観客は和毅に拍手を送った。手数のパンチと防御に終始したバルガスにはブーイングが浴びせられた。アマ時代に唯一負けた相手に返り討ち。それでも和毅は「今の自分の実力。まあ、バルガスの方が強かったんじゃないですか」と潔く認め、判定にも「決めるのはジャッジなのでリスペクトする」と受け止めた。
身長差で8センチ、リーチで9センチと体格差で上回るバルガスの懐に果敢に飛び込んだ。序盤はバルガスの右に合わせた左フックや、速い出入りからのワンツーがヒットしたが、決定打が出ない。距離をあけられ、足を使って翻弄され、終盤はクリンチなどでしたたかにあしらわれた。最終12回にはクリンチが解除された後にレフェリーが制止している状況で左右のパンチをバルガスに当てて減点された。
亀田3兄弟の世界戦の実施回数は今回で30戦目。セコンドについた父・史郎氏(53)の「根性や~! 和毅!」と悲痛な絶叫が響く中、必死になって攻略の糸口を探したが、つかみ切れなかった。12日に28歳になったばかりの和毅は「最後まで根性を出していこうというのはあって、それはできた。お客さんは分かっていると思う。もう一回チャンピオンになるために頑張る」と再起を誓った。