【高校野球】日体大荏原の秘蔵っ子2年生エース 宮下、初の9イニング完投2019年7月15日 紙面から
◇東東京大会 日体大荏原5-2日本ウェルネス第101回全国高校野球選手権の東東京大会は14日、小雨が降る神宮球場などで3試合を行い、1976年以来43年ぶりの夏の甲子園を目指す古豪の日体大荏原が5-2で日本ウェルネスに打ち勝って3回戦を突破した。初戦で公式戦デビューした2年生エースの宮下大地投手(2年)が2失点で初完投。神宮と神宮第二の1試合ずつを含む東東京のほかの試合、西東京の全試合は雨天中止となった。 日体大荏原をしょってたつ2年生エースが初完投した。この夏が初のベンチ入りで、初戦の京華戦で公式戦初登板し5回コールド勝ちを無失点だった宮下が8安打されながらも2失点で初めて9回を投げきった。「最後は握力が落ちてきたと思いましたが、気持ちで投げました」 都立の雪谷を率いて甲子園にも出場した相原健志監督(52)の秘蔵っ子右腕だ。手足が長くピッチングのバランスも良く、入学当初から将来のエース候補と見込んでいたが伸び悩んだ。今春までベンチにも入っていなかったが、夏を戦うためにはもうひとり投手がほしいと、春の大会後にマンツーマン指導して開花させた。 ペットボトルでフォームを修正した。500ミリリットルボトルに半分ぐらい水を入れて、のみ口を下に向けて持たせてシャドウピッチング。のみ口がずっと下を向くようにさせることで、肩周りの内転、伸展、屈曲の動きを覚えさせた。アーム気味だった腕の動きが解消、球速も130キロ台中盤までアップ、ゴールデンウイークごろから甲子園経験校との練習試合でも結果を出し続けた。 カーブとスライダーだけだった変化球の種類も増やした。握りを変えるだけのツーシームのほか、70キロもある驚異的な握力を生かしてフォーク、チェンジアップも簡単にマスターした。夏は堂々たる背番号1でベンチ入り。課題は181センチ、70キロの細身。「体重をあと10キロ増やしたら、もっと注目されるピッチャーになりますよ」と相原監督は期待する。 日本ウェルネスからも直球と多彩な変化球で8三振を奪った。制球もよく4四死球。2回に味方の失策から先制を許し、4点リードの9回に1点を返されたが辛抱強く140球完投。「研究していた注意すべきバッターには甘くならないようにした。次も強いチームがくると思うのでコントロールに気をつけたい」。咲き始めの2年生エースが自信をつけた。 (小原栄二)
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