弘南鉄道は10日、利用者減少に伴う経費節減や車両運用の効率化のため、10月1日から弘南、大鰐両線で日中の運行本数を減らすダイヤ改正を行う予定であることを明らかにした。ダイヤ改正は、2013年7月の弘南線・田んぼアート駅(田舎館村)開業に伴う改正以来6年ぶり。
平川市の津軽みらい農協会館で開かれた弘南鉄道沿線の5市町村などでつくる「弘南鉄道活性化支援協議会」(会長・桜田宏弘前市長)の総会で、同社が説明した。
同社の19年度の経常損益は4871万円の赤字で前年度より約1900万円改善する見込みだが、20年度以降は年間約600万円ずつ悪化すると試算。19年度の利用者についても弘南線が前年度比1万4千人減の約127万4千人、大鰐線が同9千人減の約42万7千人となる見込み。両線とも来年度以降約1万人ずつ減少するという。
同社は、ダイヤ改正に踏み切った背景について「通勤通学時間帯以外の日中は、乗客がまばらどころか1、2人ということも珍しくない」と厳しい現状を説明。具体的な本数などは未定としながらも「朝夕の通勤通学者への影響ができるだけ少なくなるように検討している」とした。