降りしきる雨に加えて今年初の公式戦のマウンドだ。「さっぱりです。最悪です。自分が舞い上がったというか緊張して本来のプレーができなかったのが反省すべきところ」。創志学園の西は苦笑いだったが、苦しんだ序盤から実感できた成長もあった。
「去年の秋の広陵戦ならあそこで崩れてたと思いますが、あの後にメンタルトレーニングとかをしてそれ(成果)が出たのかなと」
2回に苦しんだ。1死からの四球と、2死一塁から3連続四球による押し出しと適時打で2失点。昨秋の中国大会準決勝・広陵戦では自身の失策などで7回に一挙6失点。その時の自分なら崩れていたかもしれない展開で、耐えてそこからゼロを並べ続けた。プロのスカウトのスピードガンでは150キロも記録した。
昨秋から帽子をワンサイズ小さくして脱げにくくしたがこの日は力みからか何度も脱げ落ちた。「力んだらクビを振ると思うので」と良くない傾向ではあるが、その力みも受け入れて投げ進められた。
親交のある石川昂弥内野手(3年)がいる東邦が敗れたことに「悔しいですね。対戦したかったです」と話す。「長い夏にしたいのはみんなだと思います」とまずは2年連続の甲子園を目指す。 (道辻歩)