【高校野球】金星の星城「流れに乗れる」 エース石黒、真っ向勝負で東邦撃破2019年7月14日 紙面から
◇愛知大会 星城10-3東邦甲子園出場経験のない星城が、センバツ優勝校を圧倒した。投打の立役者は、プロ注目の最速146キロエース、石黒佑弥投手(3年)だ。投げては8安打3失点で8イニング完投。打撃でも、8番ながら3点リードの7回に高校通算18本目となる駄目押しの3ランを放った。 「これで流れに乗れる。調子に乗らずに、1つ1つのプレー、チームに全力で立ち向かいたい」 178センチ、74キロの右腕は謙虚に振り返ったが、マウンドでは強気だった。序盤から、自慢の直球で東邦打線に真っ向勝負。「どの打者も怖くて、どこに投げても打たれそうだった」というが、一歩も引かなかった。 相手の主砲、石川には1回に直球を中前にはじき返されたものの、以降の3打席は凡打に仕留めた。「高低を使って、的を絞らせないようにした」。昨年末、豪州遠征した愛知県選抜のチームメートを抑え、胸を張った。 中学2年の時に捕手から投手に転向。本格的に投手に専念したのは高校入学後だ。1年生大会で中京大中京に逆転サヨナラ負けしたのを機に、ごみ拾いを心掛けるように。「周りを見るようになって、視野が広がった」と効果を実感している。 2012年度から2年連続で全国大会3冠を達成し、日本代表の石川祐希らがOBにいるバレーボール部が有名な同校。 野球部も、豊田西を率いて1998年センバツに出場した平林宏監督(62)が15年に就任し、着実にチーム力を上げた。金星をものにしたが、これで満足するつもりはない。プロも視野に入れる石黒が、さらなる進撃を引っ張る。 (麻生和男)
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