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【高校野球】

平成最後の王者まさか… 石川3被弾 東邦コールド敗退

2019年7月14日 紙面から

先発し7イニング9失点と乱調だった石川(高岡涼子撮影)=愛知県春日井市民球場で

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◇愛知大会 星城10-3東邦

 愛知では、今春センバツ優勝の東邦が、2回戦で星城に3-10で8回コールド負けを喫する波乱が起きた。沖縄大会では、3年連続の出場を目指す興南が具志川商を8-0で下し、準々決勝に進んだ。今秋のドラフト候補で岡山・創志学園の西純矢投手(3年)はMAX150キロで7イニングを2失点、チームも11-2の快勝だった。

 ぼうぜんとする東邦ナインの表情が、大波乱を物語っていた。平成最後のセンバツを制し、令和最初の甲子園制覇を目指した夏。連覇の夢は道半ばどころか、1勝しただけの2回戦、しかもコールド負けで幕を閉じた。

 「とにかく悔しい。勝てた試合だったと思うので。それが悔しい」。今秋ドラフト上位候補の主砲、石川昂弥内野手(3年)は、現実を受け止めきれない様子で淡々と話した。「3番・投手」で今大会初登板。だが、7イニングで3本塁打を浴びるなど13安打9失点の乱調だった。「もう1回、甲子園に行きたい気持ちはあった」と肩を落とした。

 星城の最速146キロ右腕、石黒から、3回に5番・長屋の2点適時二塁打などで3点を先制。だが、石川が直後に4番・河田に反撃の2ランを浴び、1点差に詰め寄られた。さらに、4回は先頭の7番・稲吉に同点弾を献上。そこからの5連打などで4点を失った。

 「抑えようと力が入って、逆に球が甘くなった」。石川は言い訳することなく、責任を背負い込んだが、森田泰弘監督(60)は「石川は肘の状態が良くなかった。他の投手の先発も考えたほどだった」と打ち明けた。本職は三塁手ながら、センバツではエースナンバーを背負って全5試合に先発。投打で日本一に貢献した分、蓄積した疲労が影響したようだ。

 センバツで30年ぶりに頂点に立ち全国の強豪から追われる立場になった。石川は「相手が向かってくる。その中で、どう戦うか。難しさがあった」と振り返った。春は県大会初戦で中部大第一に敗戦。今夏は、石川自身は1回戦の天白戦の第1打席で高校通算54本目の本塁打を放つなど快調にスタートしたが、石川と並ぶ中心選手である1番・熊田は腰痛を訴え、2日前に練習復帰したばかりだった。チーム状態は万全ではなかった。

 「甲子園に2回出て、優勝もできた。いい3年間だった」。最後は不完全燃焼に終わったが、成し遂げた栄光が色あせることはない。今後はU18W杯(8月30日開幕・韓国)やドラフトもある。「日本代表に選ばれたいので、気を抜くことなく練習したい」。石川は真っすぐ前を見て、言い切った。 (麻生和男)

 

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