ヤクルト、阪神などを指揮した野村克也さんの孫で、楽天・野村克則2軍バッテリー兼守備作戦コーチ(45)を父に持つ星槎国際湘南・野村忠克外野手(3年)が夏の大会初出場を果たした。
背番号17の副将は、8点リードの3回無死一塁から代打で登場。初球を打って二ゴロに倒れると、そのまま右翼に入り、4回は空振り三振を喫した。2打数無安打で公式戦初安打はお預けとなったが、夏の独特な雰囲気を体感。「春や秋とは違った。緊張しました。打てるように頑張ります」と笑顔で意気込みを新たにした。
寮生活から実家に戻るのは正月ぐらい。多忙な祖父や父に試合を観戦してもらうことは難しくとも「思うような結果が出ない時でも、父からは『腐るな』と言われてきました」と、“ノムラの考え”は生きている。
昨秋からは三塁ベースコーチを任される。最初は感じた偉大な名前を背負う重圧も、今はない。「チームのために、自分のできることをやりたい」。初の聖地だけを見据え、最後の夏を戦い抜く。 (藤田昌央)