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【社会】

<世界の中の日本国憲法>仏国連大使「9条支持せよ」活動必要 埼玉の市民団体宛て返信

 国連総会で憲法九条の支持決議採択を目指す埼玉県日高市の市民団体「SA9(九条を支持せよ)キャンペーン」に、フランスの国連大使から手紙が届いた。SA9の活動に期待を寄せる内容で、メンバーの一人でドイツ人の平和歴史学者クラウス・シルヒトマンさん(75)は「本当にすごいことで勇気づけられる」と喜んでいる。

 SA9はシルヒトマンさんと市内の日本人三人が二〇一七年末に結成。九条を国連設立時の平和理念の「正統な後継者」と位置付け、支持決議の採択で世界から戦争をなくす一歩にすることを目指している。

 今までは非武装国の在日大使館を中心に「決議案を提出してほしい」と働き掛けてきたが、応じてくれる国がなかなか見つからなかった。「大国を動かさないと前進しない」と考え、今年五月、国連安保理常任理事国の米国など五カ国の国連大使に思い切ってメールを送った。

 五カ国で唯一、返事をくれたのがフランスの国連大使だった。短い手紙には「多極化した世界で唯一の包括的で普遍的な組織として、国連は中心的な役割を果たしている」とあり、「私たちはあなたたちのような革新的な取り組みも必要としている」とも記されていた。

 決議案の提出など具体的な行動を約束する内容ではないが、シルヒトマンさんたちは返事があったこと自体に意義があると考えている。メンバーの一人で政治学者の大森美紀彦さん(67)は「これからフランス語圏の国々に働き掛ける時に、この手紙を生かしたい」と話している。 (井上峻輔)

 

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