JFA|日本サッカー協会  Japan Football Association
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「今日もサッカー日和」


“JAPAN  DAY”となったAFCアニュアルアワード

 今年のAFCアニュアルアワード(表彰式)は、まさに"JAPAN DAY"でした。
 SAMURAI BLUEがアジアカップで優勝し、7月にはなでしこジャパンがFIFA女子ワールドカップで堂々の世界女王に輝いた今年。その輝かしい功績が反映され、AFCアニュアルアワード(11月23日、クアラルンプール)では、17部門のうち、なんと主要な9部門を日本人が受賞するという快挙となりました。最優秀協会賞、最優秀男子代表チーム、最優秀女子代表チームの表彰でステージに立たせてもらったのですが、せっかくの機会でしたので、そのスピーチで東日本大震災の時にアジアのサッカーファミリーから温かい支援を受けたことに対してお礼を述べました。日本の受賞者たちは、全員が英語でスピーチ。しっかりと準備し、アジアの関係者に自分の言葉で喜びを語っている姿を見て、日本サッカーの国際化がまた一歩進んだことを実感しました。
 これほど多くの賞をいただいたのは初めてのこと。創立90周年という節目の年にこういった栄誉に浴したことを、日本中のサッカーファミリーと喜び合いたいと思います。  FIFAのブラッター会長もこの表彰式に出席されたのですが、なでしこジャパンの戦い振りを称え、「世界の女子サッカーの地位を確立した」「女子サッカーを改革した」と絶賛。確かに、日本の女子選手の活躍は目を見張るものがあります。
 今年は、オリンピック出場を決めたなでしこジャパンをはじめ、U-19、U-16女子代表もアジアの全大会を制覇し、FIFA U-20女子ワールドカップ、FIFA U-17女子ワールドカップにそれぞれ出場します。また楽しみが増えますね。
 男女ともに素晴らしい実績を上げた日本サッカーですが、客観的に分析すると、紙一重の差で優勝したケースが多かったと思います。アジア各国が強化を図っており、力が拮抗していますから、ちょっとでもうぬぼれたらすぐにやられてしまいます。慢心することなく努力を重ねることが重要だと思っています。
 来年は男子も、オリンピックを含めてアジアの年齢別大会があります。そこですべてのチームがベスト4入りし、FIFAの年齢別ワールドカップに出場して好成績を残したいと思っています。

南米サッカー連盟から特別勲章

 AFCアワードが終わった足で、今度はパラグアイの南米サッカー連盟(CONMEBOL)に向けて飛び立ちました。
 今回、CONMEBOLを訪れたのは、レオス会長からリベルタドーレス杯抽選会の招待を受け、また、その際にCONMEBOLの特別勲章を授与したいという光栄な申し入れがあったことが理由です。
 リベルタドーレス杯の抽選会は11月25日、アスンシオンのルケ市にあるCONMEBOL本部のコンベンションホールで行われたのですが、ここで表彰式が開催され、CONMEBOLとして最高の勲章にあたる特別勲章(Gran Collar Extraordinario)をいただきました。写真はその時のもので、私の右がレオス会長、、左隣がデルーカ専務理事、その隣がフェルナンド副会長です。私の経歴が紹介された後、「サッカーを通じて南米各国との絆を深めるために多大なる貢献をした」という、今回の勲章の授章理由の説明がありました。
 スピーチの機会をいただいたので、私はお礼としてCONMEBOLの協力と指導のお陰で日本サッカーが成長したこと、また、トヨタカップやキリンカップなどで常に最強のチームを派遣してくれたこと、そして、Jリーグ設立当初から長年にわたって優秀な監督や選手を送り続けてくれたことなどについて感謝の意を伝えました。この特別勲章は、日本サッカーが世界から認められたという証だと思っています。
 ご存じの方もいらっしゃると思いますが、CONMEBOLと日本サッカーは昔から深い信頼関係があり、2002年のワールドカップ招致の際も南米各国は、日本の招致を支持してくれました。現在では、キリンカップやキリンチャレンジカップ、また、スルガ銀行チャンピオンシップ(Jリーグヤマザキナビスコカップ優勝チーム対コパ・スダメリカーナ優勝チームの対戦)を通じて友好関係を深めています。
 南米は欧州サッカーと並んで世界トップですから、これからもCONMEBOL各国から多くのことを学びたいと思っています。

嬉しい世界一周の旅

 さて、今回のAFCとCONMEBOLの出張ですが、AFCアワードを終えた日、深夜の飛行機に乗り、ドバイ経由でブラジルのサンパウロ、そこからパラグアイのアスンシオンに入りました。クアラルンプールからドバイまで7時間、ドバイからサンパウロまで14時間、サンパウロからアスンシオンまで2時間ですから、往路は実に23時間のフライト。トランジットがそれぞれ5時間、4時間ですから、それを入れると32時間の旅ということになります。帰りは、アスンシオンからサンパウロ経由でニューヨークに入り、そこから東京まで、トランジットを合わせて33時間のフライトでした。
 実は帰国の際、ちょっとしたアクシデントが発生。アスンシオンで預けたスーツケースが紛失してしまったんです。日本航空の方が懸命に探してくれて、帰国した翌日には無事に自宅に届いたのですが、ニューヨークでは勲章と手荷物だけを持って帰国の途につきました。「良いことばかりではないよ、気を引き締めなさい」と、サッカーの神様が教えてくれたんでしょう(笑)。
 長いフライトにはくたびれ果てましたが、短い期間に世界を一周し、アジアと南米でお祝いしていただき、嬉しい出張となりました。 JFAの国際委員を務める北山朝徳さん(アルゼンチン在住、写真左から2番目)やCONMEBOLの高砂明弘さん(写真右から2番目)にも会えましたし・・・。

FIFAクラブワールドカップ、いよいよ開幕

 さて、1週間後には、FIFAクラブワールドカップが開幕します。3年ぶりの日本開催ですから、今か今かと首を長くして待っていた方が多いことでしょう。
 CONMEBOLを訪れた際、パラグアイの記者に「サントスは優勝できると思いますか?」と何度も聞かれ、思わず「大丈夫」と答えてしまいましたが、今年こそ、欧州と南米の牙城を崩したいと思っています。それを崩すのはもちろん日本ですよね!
 Jリーグは今週、いよいよ最終節。今季は3チームの優勝争いで、各会場では熾烈な戦いが見られるでしょう。FIFAクラブワールドカップへの出場権を手にするはどのチームか――。多くのファンが固唾を飲んで見守ることでしょう。私も楽しみにしています。

財団法人 日本サッカー協会
会長 小倉純二