1916年に第1回の南米選手権が開催されたとき、ワールドカップ(W杯)はまだ存在していなかった。W杯が最初に開かれたのは1930年。世界最古の大陸選手権として知られる南米選手権には、世界のサッカー界を引っ張ってきた南米の誇りが詰まっている。
ウルグアイ、アルゼンチン、ブラジル、チリの4カ国が参加して始まった大会は、徐々に参加国を増やしてきた。
75年に南米連盟に加盟する全10カ国が参加するようになり、93年からは他の大陸連盟からチームを招待する形に。これまではメキシコなど北中米カリブ海連盟所属国からの招待参加が主だった。今大会、日本と一緒に初出場するカタールが19チーム目の参加国となる。
前回大会の16年は、南米連盟の創立100周年を祝う形で米国で開催され、北中米・カリブ海連盟から6チームが加わって拡大開催された。開催の間隔や大会のフォーマットも変化させてきた柔軟さはラテンならではといっていいのだろう。
今回で46回目の開催となるが、最多優勝は15度制しているウルグアイだ。アルゼンチンが14度で続き、王国と呼ばれるブラジルは8度。南米以外の参加国を招くようになってからは、メキシコが決勝まで勝ち進んだケースがあるが、優勝はすべて南米連盟の国が占めている。ほかの大陸連盟から招待するオープンなマインドの一方で、タイトルは持っていかせないという意地も感じさせる。
日本は、トルシエ監督時代の1999年以来、今回が2回目の出場となった。東京五輪世代を含めた若手中心のメンバーが貴重な経験を積む機会を得た。
その大会中にまさか悲しい訃報(ふほう)に接するとは思わなかった。アルゼンチン・ブエノスアイレス在住の北山朝徳さんが18日、がんで亡くなられた。72歳だった。
今回の招待出場も、南米連盟と日本の絆の深さがあったからだ。北山さんはまさにその架け橋になったひとだった。代表チームは19日、ポルトアレグレでの練習前に黙禱(もくとう)し、さらに20日のウルグアイ戦で喪章を巻いてピッチに立った。
北山さんは大学卒業後、北米か…
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