【首都スポ】[ラグビー]東京五輪へ弾み 7人制ラグビー、アベックV 女子は日体大トリオ躍動2019年7月13日 紙面から
東京五輪へ弾みをつけた! 第30回ユニバーシアード大会(イタリア・ナポリ)の7人制ラグビーで、男女の日本代表がそろって金メダルを獲得した。1次リーグから5戦全勝で優勝した女子は主将の平野優芽(日体大)ら7人、男子は身長191センチの巨漢・川崎清純(関東学院大)ら7人の首都圏大学生が大活躍。フレッシュなラ組女子&男子よ、このまま五輪まで突っ走れ! (取材・文=大友信彦) 「意外とあっさりしてました。もちろんうれしかったけど、みんなと大喜びするほどでは…。正直、そんなにすごいことを成し遂げたという感覚はありませんでした」 優勝の瞬間を振り返ってもらうと、平野はサラリと言った。世界の学生スポーツの祭典で、ラグビーの男女日本代表がそろって達成したアベック金メダル。車いすラグビーは昨年の世界選手権で金メダルを獲得したが、芝の上のラグビーでは15人制と7人制、男子と女子を通じて世界大会の金メダルは今回のユニバが初の快挙だった。 今回の日本女子代表で主将を務めた平野は19歳の日体大2年生だ。チームには24歳の選手もいたが、「このメンバーでは(自身が)ワールドシリーズの舞台も経験している方なので、自分が引っ張っていかなきゃという自覚はありました」と話す。 言葉通り、ユニバではボールを持って強気に仕掛け、鮮やかなパスさばきで堤ほの花、永田花菜(日体大)、原わか花(東京フェニックス)というスプリンターを積極的に走らせた。 「日本のトップのスピードランナーが並んで走る形は今までなかった。今回チャレンジしたことで、新しい強みをつくれたと思う。体は小さくても個性を生かして勝負して結果を出せた。自信になりました」 平野のパスを受けトライを量産したのが堤だ。身長154センチと小柄だが抜群の加速力で、チーム最多の6トライ。 「楽しくできました。最後の試合では『まだ終わりたくないな、試合してたいな』と思っちゃいましたね」とニッコリ。7月のナポリ。試合を楽しむ前向きな姿勢と、気温40度近い人工芝の上でも「終わりたくない」と思えるスタミナが勝利を呼び込んだ。
堤と同じ6トライをマークしたのがチーム一番の若手、日体大1年生の永田だ。昨秋のアジアシリーズに高3で代表デビューを飾ったが、世界大会は初めて。167センチ、57キロと体はまだまだ細いが「世界ではまだ通用しないぞと言われてたし、1試合1試合を伸び伸びやらせてもらって、成長できました」と笑顔をみせた。 サクラセブンズこと7人制日本女子代表は、昨年のワールドシリーズ(WS)で最下位となり、下部シリーズに降格。復帰を目指した今年は昇格大会の準決勝で敗れ、招待枠で参加したWS北九州大会では全敗。世界での勝利からは遠ざかっている。 それだけに、今回の勝利は大きい。 「結果を出せたことはうれしい。大きな外国チームが相手でも勝てたことは自信にしていい」 平野はそう言いながら、続けて「今回の金メダルはうれしいけれど、この結果には満足していません。私たちの目標は東京オリンピックでのメダル獲得ですから」と言い切った。 世界の舞台で結果を出した若きラ組女子たち。1年後の東京五輪への進路図が、険しいながらも見えてきた。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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