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【格闘技】

拳四朗は笑顔満開V6

2019年7月13日 紙面から

ジョナサン・タコニンに4回TKOで勝利し喜ぶ拳四朗=エディオンアリーナ大阪で(黒田淳一撮影)

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 一瞬だった。4回開始直後、拳四朗の右が、挑戦者の顔面に突き刺さる。完璧に射抜かれた挑戦者はマットに崩れ、立ち上がっても、足に力が入らない。4回1分0秒TKO。現役最長防衛王者が、文句なしの内容でV6を果たした。

 「左をかわして右を打ち下ろし。ほんと練習通りでした。強い選手で、焦りもあったんですけど、最後きれいに倒せてホントよかった。地元関西、大きな歓声ですごく気持ちよかったです」

 初回、挑戦者を得意のジャブで完全にコントロールしたが、王者らしさを見せたい気持ちが気負いにつながったのか。2回から攻め気にはやって逆襲を受け、3回にはバッティングで減点された。ところが、最後は軽量級とは思えない、鮮やかなワンパンチKO劇で、地元・関西のファンを魅了した。

 童顔で、計量日に自らインターネットで調べた最新スイーツを自ら買いに行き、リングに上がってもゴング直前まで笑顔を振りまく。今までのボクサー像から遠い“拳四朗流”は健在だ。その一方で「ボクシングのことを考えるようになってきた。チャンピオンの自覚も出て、どんどん自信もついてきた」と話すように、防衛を重ねるにつれ、心の内は少しずつ、王者のそれへと変貌を遂げてきた。

 試合直後のインタビュー。WBA同級スーパー王者・京口が見守る中、拳四朗はこう言い放った。

 「目標は具志堅(用高)さんのV13。統一戦も含め、強い選手とどんどんやって、(他団体の)ベルトも集めて、みんなに強いと言われたい」

 トレードマークのダブルピースも見せた王者は、己のスタイルを貫いたまま、ライトフライ級に君臨する。(藤本敏和)

 

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