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【芸能・社会】

ジャニー列伝(3)歴代担当が思い出語る 半端ない気遣い

2019年7月13日 紙面から

 第3回からは本紙の歴代ジャニーズ担当記者が、ジャニーさんと触れ合ったエピソードを紹介する。

    ◇

 関ジャニ∞がメジャーデビューした2004年。デビューシングルの発売記念イベント取材のため、東京から大阪に日帰りで取材に行った。帰りの新幹線に乗る直前、新大阪駅のエスカレーターでジャニー喜多川さんにばったり遭遇し、声をかけた。

 「あら、どうしたんですか?」。キョトンとするジャニーさん。自身は堂本光一の舞台稽古を見に行ったのだという。こちらは関ジャニ∞を取材したことを報告すると「ありがとうございます」と丁寧に頭を下げながら、持っていた紙袋からおすしを取り出した。「これ、めちゃくちゃおいしいから食べてください」。新幹線の中でご自身が召し上がるつもりだったかもしれない。遠慮してみたものの、断りきれずにありがたく頂戴した。そのおすしは本当にうまかった。

 気遣いが半端ない。06年1月。滝沢秀明さんの記者会見でマカオに出張した帰りも、担当記者一行はジャニーさんや滝沢さんと同じ便に搭乗したのだが、降雪の影響で成田空港が閉鎖となり、急きょ関西空港に降りることに。これだけでも不運なのに、負の連鎖はまだ続いた。

 関空と新大阪をつなぐJR特急が、京都線内で発生した人身事故の影響で遅延。新大阪に着いたころには、東京行きの最終新幹線まで15分ほどしかなかった。

 すると、特急を降りたジャニーさんが構内を猛ダッシュ。われわれを含む全員分の新幹線チケット(しかもグリーン車)を購入して帰ってきた。

 新幹線の中でも信じられない光景が。ジャニーさんがワゴン販売の女性から強引に“借りてきた”お弁当のメニューを持って登場したのだった。恐縮しすぎて、もう笑うしかなかった。

 まず、記者に対して「おたくは何にしますか?」。そして真後ろのタッキーには「YOUは何にする?」。お弁当のリクエストを聞いた後「すいませ~ん!!」と言いながらワゴン販売の女性の元に戻っていった。しばらくの静寂の後、僕の肩をツンツンしながらタッキーはこう言った。「あれって、うちの社長ですよね?」

  (江川悠、04~08年、18年~担当)

 

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