試合前には今年新たに野球殿堂入りした元中日の立浪和義さん(49、本紙評論家)、元中日で元横浜(現DeNA)監督の権藤博さん(80)の表彰式が行われた。
立浪さんは通算1000安打と2000安打を記録した東京ドームでの栄誉に「節目がすごく重なって縁を感じます」と喜んだ。あいさつの中では携わってくれた数々の恩師へ感謝を語った。
とりわけプロ入り当時の監督だった故・星野仙一さんへの思いは格別だ。「1年目から使ってもらい、高いレベルに早く放り込んでもらったことが自分にとって大きかった。ひどい成績でもずっと使い続けてくれたことが自分の始まり」。プロとしての礎を築いてもらった感謝は消えない。
星野さんは一昨年1月に殿堂入りし、昨年1月に急逝。立浪さんは「できれば、まだまだ元気でお話ししたかった」と残念がり、「自分がユニホームを着る姿を楽しみにしてくれていた。必ず良い指導者になれるよう勉強していきたい」と現場復帰を目標に掲げた。
権藤さんも1961年4月9日の後楽園球場がプロ初登板。「今とは違いますけど、何かの縁でしょう」と喜んだ。80歳という年齢を感じさせない立ち居振る舞いで、「野球しかないですから、何らかの形で関わっていきたい。野球の面白さ、素晴らしさを伝えるのが仕事じゃないの」と今後も伝道師の役割を担う。 (小林孝一郎)