【インタビュー】Franz K Endo|DIYでインターネットの外に
Twitterのタイムラインに、奇妙な動作や発言を繰り返すドラえもんのMADアニメが流れてきた経験を持つ人は多いはずだ。
そのアニメを制作するFranz K Endoは、ユニークなアニメやMADの制作の他ラップやビートメイキングを行うアーティストとしても活動している。
全てにおいて独特かつ謎に包まれたパーソナリティを持つFranz K Endoに、FNMNLがコンタクトを取ることが出来た。今後さらに音楽にフォーカスした活動を行なっていきたいという彼は、果たしてどのようなアーティストなのだろうか?
取材・構成 : 山本輝洋
- まず、アニメと音楽を作り始めたのはそれぞれいつ頃ですか?
Franz K Endo - 音楽を作り始めたのが、留年した年だから...2016年ですね。3年ぐらい前です。高校の時も一回作ろうと思ってダメでやめて。ずっと家に引きこもってて、何かで「作ろう」と思ってGarage Bandを入れて、最初に作ったのがクラシックだったんです。データ消しちゃったんですけど。その次に“LSD”って曲を作って、それがSoundCloudにあります。夏ぐらいだったかな。最初は割とアンビエントで。アニメは去年の4月に作り始めて。Adult Swimのアニメを観て、それで作ろうって。
- Adult Swimもそうですが、海外アニメに近いテクスチャーの作品が多いですよね。
Franz K Endo - そうですね。日本のアニメはあまり観なくて。『銀魂』はめっちゃ好きなんですけど(笑)
- SoundCloudにある曲はローファイなテイストの曲が多いですよね。
Franz K Endo - ローファイを意識したのは去年の6月ぐらい。
- ちょうどローファイヒップホップというジャンルが世に定着したタイミングとリンクしていますね。ラップを始めたのはいつ頃ですか?
Franz K Endo - ラップは、高校の時に『フリースタイルダンジョン』が流行って、廊下にみんなで集まってサイファーしたりしてました。ギャグラップなんですけど。去年の夏頃にめちゃくちゃ病んでて、遺書的な感じで、死んだ時に形として残したいと思ってシーシャ屋で曲を作ったのが最初ですね。
- 去年ぐらいということは、XXXTentacionやLil Peepのようなエモラップの影響もありましたか?
Franz K Endo - いや、それは後からです。基本的に自分が作るジャンルの曲はあまり聴かなくて。そっちで満足しちゃうというか、「この曲自分で作る必要無いな」って思っちゃうんですよね。ヒップホップを聴き始めたのも大学2年ぐらいからで。『フリースタイルダンジョン』で「バトル良いな、でも音源はちょっとな...」みたいな(笑)ヒップホップは普段あまり聴かないけど、聴く時期もあるような感じです。
- 好きなバトルラッパーはいましたか?
Franz K Endo - Lick-Gと、呂布カルマも観てたし。T-PablowがまだK-九だった頃もよかったですね。
- 直接的な影響を受けたラッパーはいますか?
Franz K Endo - PNLとLick-G、Eminem、Frank Ocean、あとWu-Tang Clan。Wu-Tang Clanはストーリー性が凄く好きで。PNLもそう。逆境からのし上がった感じがカッコ良くて、ドラッグ売るしかなかったけど俺はラップで、みたいな。
- 「Coldplayがすごく好き」とずっとおっしゃってますけど、やっぱり音楽的なルーツはその辺りですか?
Franz K Endo - 最近あまり聴かないけど、美メロな感じが好きで。2ndの『A Rush of Blood to the Head』をたまたまジャケ買いして「めっちゃ良いな」ってなってて、その時にちょうど『ベストヒットUSA』とかを聴いてたので、そこから美メロが好きになりましたね。Radioheadの良さに気づいたのは去年ぐらいなんですけど。
- じゃあ、去年辺りが音楽をやっていこうと思う一つの起点だったんですね。
Franz K Endo - 中学、高校、大学が音楽聴くのが好きなピークで、最初は全然作れなくて。音楽は普通に作るより聴いてる方が好きだけど、暇なときに続けてたまに完成に近づく。殆どボツで終わるんですけど、特に理由は無く作り続けてます。それ以外にやることがなくて。
- Twitterをコンスタントに更新してフォロワーがつくようになると、音楽にも毎回ビデオをつけていますよね。映像は音楽を作った後に考えているんですか?
Franz K Endo - 同時にというか、相互的にですね。本当は映像は別に無くても良いんだけど、無いとみんな見ないから。ビデオで視聴率を維持するみたいな(笑)最初はSoundCloudのリンクだけ貼ってたけどみんな見てくれなくて、なるべく見てもらえるように映像を載せてますね。最初は普通に真面目に作った曲を載せてたんですけど、ジャイアンのギャングスタラップのアニメがたまたま伸びて、それが音MADの一番最初で。
その後も真面目な曲を載せてたんですけどみんな見なくて、その次にサザエさんのすき焼きのMADを載せたらそれが伸びて。「みんな真面目なのは聴かないんだな」っていうのが分かったから、ふざけた物をいっぱい載せて数を集めて、そこから全体の一部に音楽を聴いてもらえたらと思って。だからアニメは広告的な物ですね。
- 「アニメの人」という認識になることにフラストレーションはありますか?
Franz K Endo - まあでも、はたから見ればアニメの人だと思われるのは割り切ってますね。
- アニメは色や内容もサイケデリックで独特なテクスチャーですよね。
Franz K Endo - 俺は色弱で、黒板の赤のチョークとかが分からなくて。お絵かきソフトの原色の色でやると作業が楽っていうのもあるし、色が分からないから現実のコンクリートの色と俺が表現するコンクリートの色が違うっていうのがあります。
- 『徹子のHey Ya』のOutkastだったり『このフロアは縦ノリなんだ』のFrank Oceanだったり、音楽ネタを入れることも多いですよね。そのようなネタはアニメを観てるフォロワーに自分の好きな音楽を紹介したくて入れてるような感じですか?
Franz K Endo - それもある。あと、俺は普通の文字のツイートが嫌いで。有名人とかが普通にツイートしてるのも、「俺、有名人」みたいな承認欲求が気持ち悪くて。俺も「こういうの好きだよ」って言いたいけど文字で言うのはキモいからアニメの中に入れてるのもあるし、単純にジャケのデザインが好きだから載せてるっていうのもあります。周りに音楽好きな人が多いから音楽のネタで笑いを取ることも多くて、それも元になってますね。
- 「高校の時に音楽好きな友達が沢山いた」ということで。ブログの方にご自身の生い立ちを載せていたこともありましたよね。Franzさんはどういう子供でしたか?
Franz K Endo - 時期によりますね。小学生の頃はクラスメイトにめっちゃ面白いやつとめっちゃイケメンなやつがいて、面白いやつはモテるし、イケメンのやつもイケメンで勉強もスポーツも出来て。それがみんなの人気者で、俺はその中に入れなくて。兄が結構友達が多かったからそこに混ぜてもらうこともあったけど、公園でケツ出したりしたら嫌われて(笑)映画が好きな友達が居て、『木曜洋画劇場』をみんなで観てて。そいつらと映画の話をしたり悪さをしたり、車の雑誌を持ち寄ったり空き地でサバゲーしたり、そんな感じでした。中学はずっとゲームしてました。『Metal Gear Solid』が好きでしたね。学校は話す人はいっぱいいたけどネットの友達が好きで、毎晩チャットルームで下らない会話をして学校で寝るのを繰り返してましたね。中学校は友達多かったです。高校も友達多くて、大学入ってから全てが狂い始めた(笑)まあでも、家は悲惨だったけど学校は楽しかったですね。
- Eminemの“Lose Yourself”をピアノで弾き語ったりしていましたが、英語はどうやって身につけたんですか?
Franz K Endo - 学校の英語の勉強もしたし、YouTubeでアメリカの番組とかドラマの字幕を見て自分が使いたい表現をメモしたり。それで友達とかを作りに行って、ネットや渋谷の酒場で絡んで友達になったりしてます。でもそんなに喋れるわけではないですね。日本語でも会話出来ないし(笑)ピアノは幼稚園の時に習ったけど鍵盤の上で寝たりしてて(笑)でも家にあったキーボードで遊んでて、暇だから大学の器楽室にあるピアノを弾いたりしてます。頑張った。
- 実際に会ったことが無い人から「おちゃらけた人」というイメージを持たれるそうですが、僕はアニメも含めて作品の中から内省的なパーソナリティが垣間見える部分があると思っていて。そのような部分はやっぱり音楽を中心に出していこうと思っていますか?
Franz K Endo - そうですね、音楽は真面目にやって。アニメもめっちゃ考えて作ってるけど、何でも「これには意味がある」って捉える人がいるじゃないですか。映画も「内容浅い」とか言ったりする人が嫌で、「別に中身無くても良くね?」みたいな。そんなに人に発信したいメッセージも無いんですよね。だから、ネタを思い付いたらそれをそのまま出しています。本当はちゃんとコンテクストがあるんだけど、ネタとネタの間の普通の部分でつまらないと思って観るのやめる人がいたら嫌だから、その無駄な部分だけを切り取って凝縮したらあのアニメになる。だから結果的に支離滅裂だけど、ちゃんと繋がりはあるんですよ。結構高校の時に思い付いたネタが多くて、「ナンと化したドラえもん」とか「改札を抜けれなかったファンキー加藤」とか、「じゃあ一体誰がパイを焼くっていうんだ」っていうのも高校の時に思い付いて。
みんなで高校の時にネタを披露しあってて、そこで結構ネタが溜まったのでそれを映像化しています。友達とチャリ漕ぎながら帰ってる時にネタを思い付いたりしてて、あそこは最高の環境でしたね。田舎で他にやることもないからみんなで音楽聴いて、下らないネタやって。
- 地元はFranzさんにとってどんな場所でしたか?
Franz K Endo - 高校の時は「都会出たいな」ってざっくり思ってたけど、嫌いなところは「風が強くてチャリが漕ぎづらい」とか「冬は寒い」とか「虫が多い」とかで、「田舎狭いな」とかは思ってなかったですね。みんな友達で上手くやってたし、そこが結構良すぎたせいで大学に行ってからギャップが酷くて、今でも結構高校に戻りたいなって思います。高校の良かった時代に逃げてるみたいなところがあって、何かに打ち込むことで忘却したいって思ってずっと作ってます。
- 映画についても訊きたいと思っていて、Filmarksに観た映画を細かく記録されていますよね。子供の時から映画は好きだったということですが、特に好きな映画は何ですか?
Franz K Endo - いっぱいあるけど、一番引きずったのは『アデル、ブルーは熱い色』ですね。三ヶ月ぐらいずっとそのことを考えてて。その時めっちゃメンヘラで、『アデル』を観て「悲しい...」ってなって(笑)その時はメンヘラが酷くて、多摩川で酒飲んでタバコ吸ってヤニクラでゲロ吐いて、みたいなのを毎日やってた時期だから。あとはアクション映画が好きで、「強く生きなきゃ」ってなるんですよ。男のカッコ良さみたいなのが好きで。後、単純に頭使わなくて良いから。『沈黙の戦艦』が特に好きです。最近だと『カン・フューリー』。
- 『レクイエム・フォー・ドリーム』の映像を使ったビデオもありましたよね。
Franz K Endo - 『レクイエム・フォー・ドリーム』は観た時は「うわー...」って感じだったんだけど、Bring Me The Horizonがめっちゃ好きで。“Doom”って曲で『レクイエム・フォー・ドリーム』の音っぽい効果音が入ってて、調べてみたらOliver Sykesの好きな映画トップ10に『レクイエム・フォー・ドリーム』入ってて。そこから意識するようになりましたね。Bring Me The Horizonはホームレスの時に聴いてました。最近のBring Me The Horizonは音楽の方向性について色々言われすぎてライブでデスコアやるようになってるけど、俺は全部好きで。高校の時はメタルやグラインドコア聴いてたんですよ。Anal Cuntとか。
- Anal Cuntは好きなバンドに上げていましたね。
Franz K Endo - Anal Cuntが俺の友達の間でめっちゃ流行ってて。Ramstein好きなネオナチの奴とかもいて、変なやつしかいなかった(笑)俺が馴染めてた環境だと思うと分かりやすいですけど。動画の中のネタを現実でやってて、みんながそれを好きだって言ってくれてたんですよ。もしかしたら狂ってるのかもしれないけど俺はそれを当たり前だと思ってたから、大学では苦労しましたね。
- YouTubeにある海外の動画で英語を勉強したりミームにインスパイアされる感覚って、Rich BrianやJojiのような海外のアーティストたちとも通ずるものでもある気がするんですよね。Franzさんは彼らを同時代にいる存在として意識したり、共感したりすることはありますか?
Franz K Endo - 全く無いですね。俺も何になりたかったのか分からなくて(笑)始める前や始めた頃は、俺と一番仲が良い友達の中で「お互いにあった凄いことを自慢する大会」みたいなのがあって、友達とどれだけエクストリームなことを出来るか、みたいなことをやってて。そんな話のネタが家に引きこもってると無くなってくるから「めっちゃつまんないな」ってなって、「俺も何か伝説になりてえ、有名になりたい」って感じでずっとやってたんです。だから明確に目指してる場所は無くて、ひたすら今まで持ってた物をフルに使い切って、適当に突っ走った感じですね。特に誰かを意識したこともないです。
- なるほど。ちなみに、今制作が進んでる曲はありますか?
Franz K Endo - 2つあるけど、俺が歌えないことが判明した。自分が出せる音域と出したい音域が全く一致してなくて、それが嫌だから曲が全然作れないところがあって。誰かボーカルだけ招いてやろうかなって思ってるし、あと1曲自分でラップしたい曲もあるけど、ボーカルは人に任せるかもしれないです。
- やっぱり必ずしもラップだけずっとやっていきたいってことは無くて、色々なジャンルを作っていきたい感じですよね。
Franz K Endo - 作りたいものを作りたいですね。ラップは今の技術的に可能なジャンルだったし、ヒップホップはみんな聴いてくれるから。でもめっちゃオシャレなテクノも作ってみたいし、インディーフォークもやってみたいし、ゴリゴリのデスコアも作りたい。実はデス声出せるから。取り敢えず自分が出来ることをやり尽くして、何かあったら良いなって感じです。賭けみたいな(笑)どうせ真面目に社会に適合していくのも無理だし、早く死にたいって思ってるぐらいならやり尽くして、もし何かあったら続けるしもしダメだったら人生終わりでも良いって。
- やっぱり今後は音楽を中心にやって行きたいと思っていますか?
Franz K Endo - そうですね、音楽が良い。アニメは今だから出来るというか、良い歳してこういうのは作りたくないし。俺が30歳とか40歳になってこんなの作ってたら普通に気持ち悪いじゃないですか(笑)大学生だから「まあまあ」みたいなところで済んでるというか。仮に似たようなことを続けるにしても、もう少し作品としてみんなが認識してくれるレベルのところに持って行きたいですね。Tyler, The CreatorのMVぐらいのところには収めて行きたい(笑)この前喫煙所でキーラ・ナイトレイ似の可愛い人と話してて、その人に共通の友達が「この人凄いんだよ~」って俺のアカウントを見せたんですよ。そしたら「あれでしょ?YouTuberでしょ?」って言われて(笑)そういう認識をされてるのは考えなきゃいけないなって。ちょっとショックでしたね(笑)そう思われるのは仕方ないんだけど。
- そうやって色々なことをやりつつも割り切ってる感覚は面白いですよね。
Franz K Endo - 最初は嫌だったけど、「いや、まあそうだよな」って。始める前は人の作品を見て「これはセンスないわ、俺の方が面白いの作れるわ」って思ってたけど、実際に自分で作ると「以外とこれって技術いるんだな」みたいなのがすごく分かって。自分もそんなにレベルの高い物を作れる技術が無いんだなっていうのが分かったら、人から「つまらない」とか「YouTuber」だとか言われてもしゃあないなって。
- 音楽に関して、ラップや歌やビートメイキングの技術を今後も向上させたいという意識はありますか?
Franz K Endo - ありますね。前にEd Sheeranか誰かが「作曲は努力だ」って言ってて、まあそうだなって思うし。俺もそんなに天才的に神がかった何かがある訳じゃなくて自分で考えてやってるから頑張った部分できたことも見えるし、辛いことはあるけど基本的には頑張って高みを目指したいです。
- 具体的に練習したり研究したりしているのはどのような部分ですか?
Franz K Endo - 俺は結構リズム感が無くて、最初から意図してリズムや曲を作ったというよりは手探りとか実験的な感じで。色々適当にいじってて、失敗したらたまたま良いリズムになったり。たまたま良いリズムがラッキーで出来たりするんですよね。知ってる物が多くて良かったというか、使えない知識が意外と役に立ったりしてます。無駄なものをいっぱい知ってて良かったというか、聴いてる曲も沢山あるし。
- 最近聴いて良かった曲などはありますか?
Franz K Endo - なんだろう、The Doorsとか、The Police。The Policeはピョンピョンした、躁鬱の躁みたいな感じがして。ドラムが凄くて、最近ドラムを研究してるんです。ドラムってあんまり関係無いなって思ってたけど、ドラムの大切さが分かって。割と音薄いけど完成度が高い曲ってありますけど、結構音圧と音の数で誤魔化してるところがあって。シンプルに「パーン!」って出来るようになりたいですね。後は、自分の声の音域に合わせた曲を全然作れないから、自分の出せる声と良い音をどれだけ見つけられるかを研究しています。
- 音楽をやっていくにあたって、今後レーベルと契約したりプロデューサーと仕事をしたいと言うような気持ちはありますか?
Franz K Endo - あんまり前向きではないです。人とやるのが得意じゃないし。誰かに全権を委ねたくないというか、普通に歌が上手い人とコラボするのは良いけど、レーベルとかに入って人にああしろこうしろって言われるのが嫌です。それだったら一生売れないままでやっていきたいというか、業界に吸われたくない(笑)前に小袋成彬さんと曲を作る話になってたんですよ。「トラック作ったら送るよ」って言われてて、その一週間後ぐらいに小袋さんイギリスに行って「あれ?」って(笑)
- 一度会ったことをツイートされていましたよね。
Franz K Endo - 俺はそのとき期待してたんだけど結局その話は無いし、イギリス行く直前にOKAMOTO'Sと色々やったみたいな話があって、「音楽界隈ってそういうところなんだな...」って思いました(笑)
- 今一緒にやってみたい人はいますか?
Franz K Endo - 思いつくのはSuchmosか青葉市子さんですね。音楽をやってる人はフォローしてくれるけど、あまり信用出来る人が少なくて。インターネットに頭ブチ犯されてる人が多いですよね。いきなり啓蒙ツイートしたりして、「こいつ、いつ偉くなったんだ」って。俺は動画しかツイートしないけど、それが反発精神で。「俺は絶対に偉いこと言わないぞ」って。そういう人じゃなければ一緒にやりたいです。青葉市子さんは純粋に曲が泣けるので好きです。アメリカのローファイヒップホップのミックスの中で青葉市子さんの“ココロノセカイ”をサンプリングした曲があって、それがカッコ良くて、そこからディグり始めたんですよね。
- ローファイヒップホップとかVaporwaveもお好きですよね。
Franz K Endo - そこは結構聴きますね。あの感じ良いなって。本当はFuture-Funkとかも作りたいけど今は上手く出来なくて、やっとローファイヒップホップのコツを掴んだみたいな感じだから。まあでも、出来た音次第ですね。特に目指してるわけじゃなくて、何かを目指して作ると絶対ボツになっちゃうから。全部DIYでやりたいです。今はDIYでやってる人も多くて、フランスのPNLも全部DIYやってるのが良いなって。人には頼りたくないですね。
- PewDiePieやAVGN(Angry Video Game Nerd)などが好きだと言ってましたが、海外のYouTuberやミームなどで好きなものはありますか?
Franz K Endo - AVGNは直接影響を受けた訳じゃないけど、あの人もDIYじゃないですか。それが凄く好きで、あの感じを目指したい。Pewdiepieは面白いけど、最近はあんまり。ミームはコンピレーションを観てゲラゲラ笑ってます(笑)
- なるほど。ちなみに、今のインターネットに対して思うところはありますか?
Franz K Endo - 最近はネットが嫌いになってきて。自分がどれだけインターネットと電子機器に頭を支配されてたかようやく気づいたんですよね。最近はほとんどネットを見てないし、ネットはやめるべきです(笑)俺が言うのもなんですけど、リアルでの繋がりは大事だなと思いますね。一回Ted Talkの「電子機器とインターネットは孤独を解決するのか」っていうのを観て気づいたんですよ。それは心に来ましたね。
あと、最近はスタンダップコメディを観てて。トレヴァー・ノアとかを観て、「スタンダップやりてえな」って。スタンダップがめちゃくちゃやりたいんですよ。笑いも取れるし、政治関連のことも言えるのが良いなと思ってて。俺は結構喋りが下手だし、カメラも苦手だからアニメを作ってきたけど、スタンダップの人がマイク一本でやるのが凄いなって。あれも一つのヒップホップというか、憧れますね。スタンダップやりたいです。
- 最後に、アーティストとしても人としても、今後どんな存在になりたいですか?
Franz K Endo - ファニーになりたい。ネットじゃなくて、現実で「こんな人面白いな」って感じの人になりたいです。
- ありがとうございました。
INFO
Franz K Endo
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