SAOに大規模アップデートがあったようです   作:佐藤 恵
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どうも、佐藤 恵です。


……………………ほんっとーに、すみませんでしたああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!

軽い五月病にかかってました。その後、インフルにかかってまともに書くことができませんでした。

本当にすみませんでした。

では、久しぶりにどうぞ。


6.中年侍と白銀の戦乙女

クラインside

 

俺は今、新しく発見された隠しエリア、29層にある暗黒界にきていた。今日はギルドメンバーと一緒ではなく、久々のソロでの戦闘を行っていた。このエリアには、既存のアストラル系のmobが大量に発生する。一体一体は弱体化されているので難なく倒せるが、なんせ数が数なのでそこそこ攻略に苦労しているエリアである。しかも、雑魚素材しか落とさないくせに、数のせいですぐにインベントリがいっぱいになり、効率よく金策もできず、アインクラッド屈指のクソエリアとなっている。

 

 

 だが今日、俺はそこで一人の女性(乙女)を見つけた。

 

 

 彼女は、パっと見両手剣に見えるほどの巨大な片手剣を両手に一本ずつ持ち、その肢体を白銀の鎧で包み、端正に整った顔と、鎧や剣と同じ色をした瞳と髪を持っていた。その白銀の色は、全体的に暗く作られたこのエリアの中で一際目立っていた。周りには、今さっき彼女に倒されたのだろうか、大量のmobがポリゴンの破片となって舞い、その光景をひときわ神秘的なものにしていた。

 

 いつもなら、軽薄に声をかけ、そして誘いを速攻で振られていたころだろう。だが、彼女の美貌に気圧されたのか、今は、軽率に声をかけるなんていう行動がとれなくなっていた。

 

 

 彼女の前では気取りたくない。

 

 

 俺は、出会ったばかりの彼女に、そんな思いを抱いていた。

 

 だから俺は、彼女に…………

 

 

 「おい姉ちゃん、このエリアでソロは危ねぇぞ」

 

 

 自分が彼女を見て、一番最初に思ったことを口にした。

 

 

 

 ……………………

 

 

 ???side

 

 

私は今、ソロで新しく発見された隠しエリア、暗黒界に来ていた。

 

パーティーメンバーは基本的にいない。声をかけてくるのは、大体が下心を持った男どもだし、下心を持っていなかったとしても、私のペースについて来れる人がいないからだ。

 

なんでも私は、この仮想現実に過剰に適応しているしているらしい。

 

現実より頭は冴え、攻撃は全てスローに見える。敵の重心は一瞥すればわかるし、体は自分の思い通りに動く。数キロ先の景色も見れるし、秘密の話も耳をすませば聞くことができる。

 

そんな私に、パーティーを組むメリットは少なく、基本的にソロで活動しているというわけだ。

 

今の私は、二本の巨大な片手剣を持っている。基本的に武器は一本しか同時に持たないはずだが、新しくアップデートで追加されたエクストラスキル、《双剣》によってからを可能にしている。

 

このスキルの取得条件は、片手剣、細剣、短剣、曲刀とともに投げナイフを装備し、擬似二刀流の状態で、投げナイフが、一定ダメージを加える、という内容だ。

 

このスキルは、片手剣、細剣、短剣、曲刀を両手で一本ずつ装備することができ、火力が単純計算で2倍になるという破格のスキルだ。双剣特有の癖のようなものがあり、慣れるまで時間がかかるが、慣れて仕舞えばとても心強い。

 

このスキル専用のソードスキルは無いが、通常のソードスキルを二本同時に発動できる。その場合は技名が《ツイン・元の技名》となる。

 

この剣は、双剣スキルを取得したその日に、ぼったくり鍛冶屋改め、リズベット武具店に特注で注文したものだ。重さと一撃の威力を重視した作りになっている。この白銀の鎧も、その時に余った素材で作ってもらったものだ。

 

ちょうど、周りにいる雑魚mobを一掃した時、後ろから中年男性特有の声が聞こえてきた。

 

「おい姉ちゃん、このエリアでソロは危ねぇぞ」

 

「いえ、1人で大丈夫なので」

 

そして私は、その誘いを断った。

 

このパターンは、前に何度か経験したことがある。心配した体を装ってパーティーを組もうとする方法だ。相手が(表向きは)心配して話しかけてくるので、断りにくいのが特徴だ。主に自分の容姿に自信を持てない中年男性が用いる。リアルでも、何度かこれに似たタイプのナンパもどきは受けたことがある。

 

このタイプは、諦めが悪いからまた面倒臭い…………

 

「そ、そうか。でも、危ないと思ったら引くんだぞ」

 

「…………はい、わかりました」

 

あれ? 案外あっさり引いてくれましたね。もしかしたら、純粋な好意でパーティーに誘ってくれたんじゃ…………。

 

…………そうなると、私はとんでもない大物を取り逃がしたのでは!?

 

彼は見たところ、この高難易度エリアにソロでやってきたようですし、実力は私と同じ、もしくはそれ以上でしょう。

 

装備もパッと見良いものでした。特に、腰に刺した刀は、現時点で手に入る最強の刀、それを最終段階近くまで強化したもの。あんな装備、攻略組の中でも一握りのトッププレイヤーでなければ手に入らないはず。

 

となると、彼は間違いなく攻略組。そろそろ攻略組に入ろうかと検討していた私にとっては、間違いなく渡りに船。

 

それに、見た感じ20代後半から30代前半といった容姿だったので、もう結婚していてもおかしくありません。私の実年齢は27ですが、この童顔のせいで、少し大人びた高校生と見られてもおかしくはありません。ちょっと世話焼きな人だった可能性もあります。

 

ならば、今からでも猛ダッシュで追いついて、やはりパーティーに入らせてもらいたいとお願いするべきなのでは!?

 

という思考を、おおよそ2秒ほどで終わらせ、私は先ほどの中年男性が去っていった方に向かって駆け出した。

 

再びクラインside

 

さっきの姉ちゃんに声をかけたが、きっぱりと断られてしまった。

 

いやぁー、あの姉ちゃん意思が固い……「すみません! やっぱりパーティー組んでもらえませんか?」…………わけじゃなさそうだ。

 

「え? どゆこと? この数秒でどんな心境の変化があったの?」

 

「えっとそれは、かくかくしかじかで」

 

「あー、なるほどね。…………って、その短時間でそこまで考えたの!?」

 

「はい! そこまで考えました!」

 

「…………マジか」

 

「マジです」

 

 

あの後、彼女がVRに過剰適応していることを聞いた。だが、パーティーメンバーになるには特に何の問題もなかったので、無事彼女は臨時パーティーメンバーになった。

 

 

「そういや、名前聞いてなかったな。なんていうんだ?」

 

「あぁ、そういえばそうでしたね」

 

 

「私の名前はノイン。ただのノインです」

 

 

そういって微笑んだ彼女は、それはそれは綺麗だった。




最後まで読んでいただきありがとうございます。

ノインちゃんの見た目は、ありふれた職業で世界最強のノイントですが、全くの別人です。

あと、今更かもしれませんが、この作品には多大なキャラ崩壊が含まれています。

それでも良い方は、ゆっくりしていってね。


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