「断捨離」は商標登録されていることをご存知でしたか?
「断捨離」という言葉は商標登録されており、ミニマリストユーチューバーのTakeruさんが権利者から弁護士経由で動画削除を求められたことが話題になっています。
<2019年6月9日追記>
一部の個人ブロガーさんにも弁護士より同様の連絡があったことが判明しました。
どこまでがOKでどこからがNGなのかわからないニャ〜
この記事では「断捨離」という言葉の取り扱いについて考えていくよ。
最初に結論:やましたひでこさんの主張は商標権の持つ権利をはるかに逸脱しています。断捨離はブログ記事タイトル使用OK、文章内使用OK、YouTubeの動画タイトル使用OK、発言OKです。広告収入を得ていてもOK。アドセンス収益があろうがYouTube収益があろうが問題なしです。やましたひでこさんが訴えると言っているだけで、実際訴えた訳でもありません。
「断捨離」はお金を払わずに使ってはいけない言葉?
2019年6月3日。
Minimalist Takeruさんのツイートがこちら。
ミニマリストのTakeruさんが発信しているYouTubeチャンネル内で、「断捨離」という言葉を使用した動画全てに、弁護士から削除要請が来たのです。
調べると「断捨離」という言葉を使用したことで番組が打ち切りになったという記事も発見。
私、ブログで「断捨離」って1000回くらい使ってるけど大丈夫なのかなあ?(不安)
結論:ブログもYouTubeも「断捨離」を使用して大丈夫です(広告収入があってもOK)。
「ビッグマック」も「無印良品」「Kis-My-Ft2」も商標を獲得しています。
商標権を持つ人が言葉を禁止できる権利を持ってるなら、もう何も言えないじゃん。
こんなおかしなことないよ。
やましたひでこさんの主張する商標権に「断捨離」という言葉をブログやYouTubeで禁止する権利はありません。
弁護士の見解を以下に掲載しています。
▼弁護士に見解をお聞きしました▼
「断捨離」はやましたひでこ(山下英子)さんが商標登録している
実は「断捨離」はやましたひでこ(山下英子)さんにより商標登録されています。
特許情報プラットフォームで商標検索したところ、
- 「断捨離」という言葉を含む商標を出願しているのは14
- そのうちの登録されているものが9
- やましたひでこさんが申請したものが7
- やましたひでこさんが取得したものが6
でした。
商標登録には「専用権」と「禁止権」があります。
- 「専用権」とは、指定商品(役務)の区分に登録された商標を、商用として利用する一切の権利を独占するという権利のこと
- 「禁止権」とは、登録商標の呼称や外観そして商標から類推される意味などが類似したものを他人が商用に用いることを禁止する権利
>参考リンク :商標がおよぼす効力としての「専用権」と「禁止権」
つまり商用で「断捨離」という言葉を使用する権利と、他人が商用に用いるのを禁止する権利があるんデス。
私のブログってアドセンスついてるけど、それは商用になるのかな?っていうかそもそもブログで発信していいの????(ますます不安)
結論:ブログもYouTubeも記事や動画タイトルや、本文や動画内で「断捨離」を使用して大丈夫です。
個人的な断捨離体験を語り発信するのは自由
「断捨離®」および「クラターコンサルタント®」は、やましたひでこの登録商標です。
個人的な断捨離体験を語り発信するのは、ご自由です。
ただし、商業目的、営業目的が伴う「断捨離®」「クラターコンサルタント®」のご使用に際しては、明確厳格な基準を設けており、許可無く使用することはできません。(出典:http://yamashitahideko.com/profile/)
「断捨離」の商標権を持っているやましたひでこさんのホームページにはこのような記載があります。
個人的な断捨離体験の発信は自由とのことですが、商業目的だと許可なしで使用不可とのこと。
ああ…悩ましい…
広告付きのブログはセーフなの?アウトなの?どっちなの!?
明確厳格な基準が知りたいニャ〜!!
結論:ブログもYouTubeも記事や動画タイトルや、本文や動画内で「断捨離」を使用して大丈夫です。商標権に言葉を規制する権利はありません。法的根拠の記載されていない禁止なので屈しないでください。
ツイッターで「断捨離」のブログ使用に関するアンケートをとってみました。
使いたい、使いたくない、使いたいけど怖い、どれもがかなりの接戦になっています。
個人ブログで「断捨離」の使用はOK!アドセンス貼った場合も問題なし!
調べていくと2019年3月25日に、「やましたひでこ断捨離塾」「断捨離」に関するコンテンツを取り扱っている株式会社経営科学出版のホームページ内に、登録商標「断捨離」の使用についての記載を発見しました。
また、「断捨離」の考え方が広く浸透したことにより、今日では、自己の「断捨離」体験や「断捨離」にまつわるエピソードを個人ブログ等で発信される方も多くいらっしゃいます。もちろん、弊社はこのような個人的な断捨離体験の発信を禁止するものではありません。
※引用のため、スクリーンショットを掲載させていただいています
やった!個人ブログ等での発信はセーフだニャー!
収益を得ているブログでタイトルに「断捨離」ついてるのとかかなりアウトな気配しますけど、大丈夫なんデスかね?
個人ブログはセーフと書いてあるあとに、けっこうデンジャーな記載もあるんだよ…
「断捨離」が無断で商業目的及び営利目的で使用されている事実を確認した場合に、代理人弁護士を通じて、かかる不適切な使用の中止を求める通知の送付、その他裁判上の手続きを行っております。
断捨離という名前で、やましたひでこさんの断捨離メソッドを使用して商売をした場合のみ商標権にひっかかると考えてください。やましたひでこさんはこの文面で「断捨離」の使用禁止は普通名詞までを禁止しようとしており、商標権を逸脱した権利主張の可能性が高いです。
ひいぃ!危ないデス!
しかも、今回調べてわかったことは「私たちの広義での断捨離」と、提唱者のやましたひでこさんの「断捨離」とはどうも違うみたい…
結論:ブログもYouTubeも記事や動画タイトルや、本文や動画内で「断捨離」を使用して大丈夫です。アドセンス収入やアフィリエイト、YouTube広告収入があっても問題ありません。
「断捨離」とは「大掃除」ではない!「モノへの執着を捨てること」である
断捨離って「家の荷物を捨てて、部屋を片付けること」デスよね?
「大掃除」的な意味で使っていたニャー
私もそう思ってたんだけど…そもそもそこから違うみたい。
「断捨離」は、2010年の流行語大賞にノミネートされ、2019年現在日常的に使われる言葉として浸透しています。
特に私はミニマリストだから、このブログでも「断捨離」言いまくりだよ〜。
実はこの「断捨離」という言葉は、やましたひでこさんという方が提唱された言葉。
ヨーガの行法である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)を応用して作成した、やましたひでこさんの造語です。
- 断:入ってくるいらない物を断つ。
- 捨:家にずっとあるいらない物を捨てる。
- 離:物への執着から離れる。
断捨離はやましたひでこさんが提唱した言葉でもなければ、造語でもありません。「断捨離」という言葉は1976年(43年前)にヨガの思想家沖正弘さんがすでに提唱しています。それをやましたひでこさんが片付けのメソッドとして転用しています。
ご本人はホームページ内でこのようにおっしゃっています。
断捨離というと新しい片づけ術かと思うかもしれませんが、そうではありません。断捨離とは、モノへの執着を捨てることが最大のコンセプトです。(出典:http://yamashitahideko.com/)
「家のいらないモノを捨てて部屋を整理整頓すること」は「断捨離」じゃない!
「断捨離」って「家のいらないモノを捨てて、部屋を整理整頓をすること」だと思ってたニャ!
ご本人も「断捨離」という言葉の間違った使用され方に心を痛めておられます。
(断捨離は)言葉だけがひとり歩きして「ただ捨てること」という、間違った認識が広まっていることも事実です。(中略)断捨離とは一言で言うと「モノの片づけを通して自分を知り、心の混沌を整理して人生を快適にする行動技術」ということになります。(出典:http://yamashitahideko.com/profile/)
テレビでやってる「断捨離」や、私たちの定義の「断捨離」とは何か違うニャね。
やましたひでこさんは、それについてブログにはこんな風に書いておられます。
無断使用の横行 勝手使用の跋扈 それよりも、なによりも、
浅薄な解釈で、「断捨離」を、さも、自分のものとして語る輩たち。
それが、一番、やりきれなかった。(出典:https://ameblo.jp/danshariblog)
断捨離を、いいえ、断捨離もどきを、そうだ、まったく断捨離とはかけ離れたことを、
まことしやかに、さも、断捨離であるかように語る人がいて。
そんな人が後を絶たないけれど。モグラ叩きをしている時間は、今の私にはないですね。(出典:https://ameblo.jp/danshariblog)
正しい断捨離って何デスか?
呆れた…沖正弘さんの使用していた「断捨離」という言葉を片付けメソッドに転用しておいて、正しいも何もないニャー…
やましたひでこさんのしてることは商標権の行使ではなく言葉狩りだと感じました。
▼商標の専門家弁理士さんや知財の専門家の意見まとめてます▼
<この記事は2019年6月初旬に書いてから、何度もリライトを重ねています>
やましたひでこさんの「断捨離」関連記事
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私ってば、どんだけ「断捨離」の記事書いてるねん!
今後は「断捨離」という言葉を容易に使わないように気をつて行こうと思います。