参議院選挙公示されましたね。この暑い中ですがみなさん頑張ってください。3年前を思い出します。

今日、緩和医療を在宅でおこなっている
ある先生から電話がありました。

◎◎大学から様々な理由から治療が困難になり、ターミナルとして近隣の関連病院におくられた患者さんが、在宅緩和医療として自分のところに紹介された。貧血、血小板減少、腎不全があり、在宅緩和をおこなうには非常に危険ではないかと感じる。そこで獨協で分子標的医療をおこなっていると思うので治療ができないか急ぎでみて欲しい。

血液の悪性新生物は一般のガンに比べて抗がん剤が効きやすく、かなり状態の悪い人間でも劇的に効果を示し寛解に入られる患者さんも少なくありません。でも残念ながら様々な治療をおこなっても効果なく、最終的には緩和として対応すべき患者さんがたくさんいらっしゃいます。

そのため我々も在宅緩和をおこなっている先生と看護師さんと連携しながら患者さんの情報を共有しています。

でも血液内科の緩和医療は一般の緩和医療に比べてとても難しいと思っています。

というのも緩和ケア病棟に血液疾患患者が入院してしまうと基本的に赤字になってしまう可能性が非常に高いからです。(ある病院では、治療をおこなうために緩和ケア病棟から一般病棟に移るといったこともされています)

本来ガンの末期の患者さんが、痛みの緩和を含めてQOLをなるだけ維持しながら在宅で余生を過ごし、最後のときを迎える。人工呼吸器等の延命治療を含めて、ある意味無駄な治療をしないという在宅緩和医療は現在厚生労働省も推奨し強く推進されています。

血液以外のガンの患者さんの診療の進め方はある意味少し時間に余裕があり、今緩和ケアをやっていらっしゃる医師の方々はその流れで診療をおこない患者さんを癒しています。そのため緩和ケア病棟での診療が成り立つのです。

ただ血液疾患の緩和の患者さんは、輸血、透析、抗がん剤といった一般的に緩和とはほど遠い治療をおこなわないと患者さんのQOLが保てず、それこそ数日単位で生命がなくなる可能性があります。(その治療をおこなうと結構元気でまずまず過ごされるかたが多くいます)

そのため、一般の緩和のイメージができにくく、今回みたいな問い合わせがきたものと思われます。

お医者さんと直接お話をさせてもらい、今回の患者さんの緩和治療に対してアドバイスをすると同時に、もし治療の適応が本当に知りたいのなら今までの情報をもっている元の大学に聞くことが患者さんのためにも一番ですと説明させていただきました。そこも間違いなく分子標的療法をおこなっていますから。

やはり血液内科は本当に特殊です。最近それをまた実感しています。

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