【大相撲】炎鵬はきっと眠れない… 照強は不倶戴天の敵だ2019年7月11日 紙面から ◇北の富士評論「はやわざ御免」4日目前半の好一番である。照強対炎鵬、共に3戦全勝。両者元気いっぱい。幕内では初顔だが十両では何度か対戦している。私の記憶が確かなら炎鵬はこの相手には一度も勝ったことがなかったと思う。もし間違っていたらごめんなさい。相撲内容も一気に攻めて照強が圧勝している。そんな記憶しか残っていないので今日も照強の方に分があるだろうと見ていた。 共に小兵だが立ち合いはまともである。頭で当たり合って炎鵬が左を差しにいく。照強は迷うことなく右から強烈に絞り上げ、左を喉輪にして一気に押して出る。炎鵬は土俵際で残そうとするが、照強の鋭い出足と左からの突き放しに土俵下まで吹っ飛んだ。照強の勝ちと見たが、行司が手つきが不十分と見て取り直しとなった。 これは「炎鵬助かったな」と思わせたが取り直しの一番も、最初のビデオでも見るように寸分も違わない負け方であった。まさに完敗である。反対に照強は余程(よほど)この相手には自信を持っていると見えて迷うことなく前に出ている。炎鵬の気持ちの中にも苦手意識はあるはずである。今のところ体も照強の方が一回り大きいし、馬力も上。スピードも上。それに気の強さも上かもしれない。 誰にでも苦手はいるが、何とか対策を考えなければいけない。不惧(ふぐ)戴天の敵となりつつある照強。炎鵬、今夜は眠れないだろう。 貴源治も全勝が止まった。ベテラン栃煌山もよく攻めたが、土俵際で突き落としを食らってしまった。物言いがついたが、落ちるのが少し早かった。まことに惜しい相撲だった。負けても今日のように前に出る相撲を取ることが肝要である。 御嶽海も調子が出てきたようだ。初日の相撲にはがっかりさせられたが、この三日間は完璧と言って良いだろう。何とか白鵬に食らい付いてもらえれば場所は盛り上がる。 その白鵬、今日は強かった。立ち合いの踏み込みも強く、右で張って右上手を取り、出足速やかに攻め、万全の詰めを見せて寄り切った。今場所4日目にして初めて会心の相撲を取ったのではないか。竜電は「我に秘策あり」とひそかに闘志を見せていたが、全く歯が立たなかった。こうしてだんだんと白鵬は本調子に持って行く。そうなると負けない白鵬になってしまう。対戦相手も打つ手がなくなるのである。鶴竜も阿炎に相撲を取らせなかった。どうやら腰の方も快方に向かっているみたい。大関陣はガタガタの状態なので鶴竜に頑張ってもらいたいものだ。 4日目の相撲内容も良かったので私も気分がよろしい。今夜はこれからデートがあるので早めに失礼します。あしからず、ごめんなさい。 (元横綱)
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