【サッカー】52歳カズvs仙台大 30歳年下相手に62分全力プレー2019年7月11日 紙面から
◇天皇杯2回戦 横浜FC2-1仙台大サッカーの天皇杯全日本選手権第4日は10日、ニッパツ球技場などで2回戦の残り3試合が行われ、J2横浜FCは仙台大(宮城)に2-1で逆転勝ちした。先発したFW三浦知良(52)は自身が持つ大会最年長出場記録を更新したが、後半17分に退いた。昨年の全日本大学選手権(インカレ)を制した法大(アマチュアシード)は2-0でJ2東京Vに完封勝利。3回戦は8月14日。横浜FCは横浜Mとの「横浜ダービー」、法大はG大阪と対戦する。 カズが3カ月ぶりの復帰戦で奮闘した。左腕にキャプテンマークを巻き、2トップの一角で先発出場し、自身が持つ天皇杯の最年長出場記録を52歳134日に更新。前半14分に右サイドで倒れ込みながら絶好のパスを送り、同27分には山本とのワンツーでチャンスメークした。62分間のプレー時間でシュート0に終わったが、故障明けとあって「チームメートに助けてもらいながら、60分くらいやれたことが何よりも収穫」と淡々と話した。 試合前、29年前の苦い教訓を仲間たちに伝えた。読売ク時代の1990年天皇杯2回戦・国士舘大戦で、ラモス瑠偉ら最強メンバーで臨みながら大学生にPK戦で屈辱的な敗北。まさかのジャイアントキリングだった。 「技術、戦術が優れていても、メンタルが充実していなければ負けることがある。決して気を緩めないように注意しよう」 怖いもの知らずの学生の勢いに押されることは承知の上。相手を格下と見下さない。ボールを追い、走り、戦う。だから、後半3分に先制されても、じれず、慌てなかった。 0-1の後半30分、松井がジャンピングボレーで同点弾。「落ち着いていた。カズさんが出ていたんで、アシストしたかった」と振り返った。“カズの教え”が、逆転劇の原動力になっていた。 3回戦は、横浜Mとのダービーだ。川本泰三が持つ最年長得点記録(41歳105日)の大幅更新へ、カズは「いい準備をしたい」と意欲的だった。 (松岡祐司)
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