【高校野球】滋賀のプロ注目右腕、光泉・吉田 緊急登板も勝利貢献!2回戦進出2019年7月11日 紙面から
埼玉などで新たに開幕して、16大会104試合が行われ、滋賀大会は、17年ぶりの甲子園を目指す光泉が14安打9得点で逆転勝ちし、2回戦に駒を進めた。光泉のプロ注目右腕・吉田力聖(りき)投手(3年)は、2番手として3回途中から6回まで投げ、けがからの復調を印象づけた。兵庫大会では昨夏の甲子園大会ベスト8の報徳学園が初戦を突破。京都大会ではセンバツに出場した福知山成美が日吉ケ丘を4-0で下し、3回戦に進出した。福岡大会では昨夏の南福岡大会決勝で対戦した九産大九州が沖学園に快勝。鹿児島、宮崎大会は雨天中止となった。 出番は突然訪れた。3回2死一、二塁、先発投手が打球を受けて降板した苦しい局面。吉田は予定より早く、わずかな投球練習だけでマウンドへ向かい「難しかった。(登板を)頭に入れて準備しなければいけなかった」。いきなり四球で満塁とすると、8番打者には逆転打を許した。 4回以降は直球とカットボールを投げ分け、5奪三振と本領発揮。6回に5点を奪う逆転劇につなげたが「制球を修正しきれず、苦しい展開にしてしまった。攻撃のリズムをつくれたとは思っていない」と厳しかった。 最速144キロ右腕は、3月から肘の炎症に苦しんだ。本格的な投球再開は6月に入ってから。ノースローの期間は、「嫌い」と断言する走り込みで体力を強化。奮闘する仲間の姿に「早く復帰して投手陣の負担を軽くしたい」とエースの自覚を持つようになった。 同世代のトップ選手の影響も受けた。3月の石川・星稜との練習試合で、打者・奥川に右前打を打たれ、後から投球時の癖を指摘された。「投げ合ったのは良い経験だが、このレベルを目指さなければ」。気持ちを高めて練習に耐えた。 甲子園で星稜と再戦する希望はある。「このチームなら絶対に甲子園を狙える。投手陣はゼロを並べて、もっともっと楽に戦えるようにしなければ」。まずは滋賀大会を制するために右腕を振るう覚悟だ。 (高畑章)
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