今年で創立70周年を迎えた神奈川大学野球連盟の選抜チームが日本代表として、オランダのロッテルダムで12日に開幕する国際大会、ワールドポート・トーナメントに出場する。同連盟の選抜チームの海外遠征は初で、横浜商大前監督の佐々木正雄団長ら一行は10日に出発する。一昨年の関西学生選抜は、過去最高の準優勝。日本勢の大会初制覇に向け、神奈川大学連盟オールスターが地元オランダや米国などと対戦する。 (文・写真=小原栄二)
投手陣の柱と期待されるのが、プロ注目の154キロ右腕、横浜商大の飯田琉斗投手(2年)だ。日の丸をつけたジャパンのユニホームで、5日に横浜スタジアムで行われた社会人の三菱日立パワーシステムズとの壮行試合で先発。1イニングだけの登板(無失点)だったが「責任を感じるし、18番をもらった重さもある」と気合を入れる。
今春リーグ戦の関東学院大戦で、自己最速の154キロをマークした。スライダー、カーブとの緩急のほか、チェンジアップの精度もアップした。一緒に選抜入りした先輩キャッチャーの嘉門も「落ちる球で投球の幅が広がった」と話す。今春は2勝3敗、防御率3・32に終わったが、イニング数を上回る奪三振、43イニング1/3で46個は圧巻だ。
横浜・六角橋中時代に教わった「鴻漸之翼」(こうぜんのつばさ)を胸に刻んでいる。飛び立てば、一気に千里を進むといわれる伝説の鴻(おおとり)にちなんで、スピード出世する人材のことで「常に上にいきたいと思っている」と胸を張る。「国際大会は初めてなので、レベルの高さを肌で感じてきたい」と胸躍らせるリーグ最速右腕が、ロッテルダムでの経験を秋以降の飛躍につなげる。
◇
首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。