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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】主演・石橋、助演・藤井 意外な共通点

2019年7月10日 紙面から

 高卒ルーキーの殊勲打を、ネクストバッターズサークルで“アシスト”したのがチーム最年長野手の藤井だった。まだ5回。でも、どうしてもほしい追加点。鈴木博をあえてベンチから外したため、いつもより1人減の投手8人態勢で臨んだ試合だった。しかも藤嶋の危険球退場という不測の事態が起こり、この時点でブルペンには5人しか残っていなかった。

 そんな中日の事情は、広島もわかっている。プロ初先発の石橋をたたいても渡らず、満塁にする選択肢もあった。まだ4球しか投げていない三ツ間が打席に立つのか、それともフル装備でバットを振る藤井が出てくるのか…。さあ、ベンチとベンチの腹の探り合い。歩かせて藤井が出てきたら困る広島と、歩かされて投手が減るのも困る中日…。当然ながらこの心理戦の答えを知っているのは、緒方監督ではなく与田監督である。

 「あそこはピンチヒッター、送る予定でした」。ニヤリと笑って種明かし。藤井は張り子の虎ではなく、本物だった。守りではなく攻め。三ツ間が2/3イニングで交代となろうとも突き放しに動くと決めていた。つまり、1軍4打席目の石橋と勝負した広島は正解。それを打ち砕いた石橋はあっぱれ。出るか出ないか、バッテリーに重圧をかけた藤井も助演賞というわけだ。

 「石橋って元気いっぱいでしょ? あいつが打つと、僕もうれしいんですよ。『じゃが』ってニックネームをつけたのも僕なんです。似ているでしょ」。38歳の藤井は試合に出なかったのに喜んだ。12月に19歳になる石橋は半分の年齢。そんな2人には共通点が存在する。2006年3月31日の広島戦(ナゴヤドーム)。2番・中堅でデビューしたルーキー・藤井は黒田博樹から初打席で死球を受けている。「見たことがない」とみんなに驚かれた石橋の初打席と同じなのだが、それを知る人間もほとんどいない。「そうですよね。背番号も22だったなんて、みんな忘れましたよね」。最後にニックネームの由来だけど、ポテトくんより、どう猛なジャガーの方がいいのに…。

(渋谷真)

 

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