右手血行障害を乗り越えて復帰してきた藤嶋が、待望の今季初登板を果たした。5回から2番手として、昨年9月25日のヤクルト戦以来となる1軍マウンドへ。最初の打者・菊池涼は三振に仕留めたが、1死一、二塁から松山にまさかの頭部死球。1ボールからの2球目に投げた141キロ直球は少し手元が狂い、危険球退場となった。
「松山さんには申し訳ないことをしました」。頭部死球になったことに謝罪した。ただ、確かな手応えも感じていた。「いいボールがいっていたと思う。手応えはある。しっかり準備をしてきたので、後は自分が精いっぱい、マウンドで頑張るだけ」とも話した。
与田監督は「非常に投げっぷりが良かった。体調に問題がなければ、また明日にでも使いたい」と言った。この先リリーフの一角を任せたい右腕が、臨戦態勢を整えて復帰してきたことは確認ができた。
藤嶋は名前がコールされた時にもらった大歓声について「うれしかった。この声援に応えたい」。そして「次に逃げたら松山さんも変に思うのでは。また投げることがあったら、逃げずに全力でいきたい」と気持ちを切り替えて球場を後にした。 (井上洋一)