【ドラニュース】三ツ間が大ピンチ救った 藤嶋退場でスクランブル登板2019年7月10日 紙面から
まさかのスクランブル登板でも、三ツ間は落ち着いていた。「一度肩をつくっていたし、4年間やってきた経験がある。緊急登板も過去にはある。時間の使い方、気持ちの持ちようも分かっていた」。ブルペンで4球だけ投げ、マウンドへと小走りで向かった。 藤嶋の危険球退場による緊急登板。1点リードとはいえ、5回1死満塁の大ピンチだ。ただ、普段12球で肩をつくっている強みがある。マウンドで投球練習し、打順を確認し準備は整った。会沢への初球に選んだのは「一番自信のあるボール」ツーシーム。ファームから何度もコンビを組んできた石橋と意見が一致し、迷いなく腕を振った。 内角に外れたが、胸元を攻めることができた。いつもの強気の投球ができ、勢いづいた。会沢をそのツーシームで右飛に打ち取り、安部は一ゴロに。その裏2点の援護点があったが、6回もツーシームを軸に果敢に攻め、スコアボードにゼロを刻んだ。 与田監督の下、開幕から多くの選手が1軍起用された。しかし、三ツ間は呼ばれなかった。「悔しい気持ちがあった。家では不安を見せたくなかったけど、どうしても出てしまった」。そんなとき「プラスの言葉を返してくれた」のがオフに結婚した法子夫人だった。焦り、いら立ちを抑え、前を向かせてくれた。 2軍のデーゲームにあわせ家を早く出るときも、ナイターで遅く帰るときも、欠かさず愛情のこもった手料理を用意してくれていた。4月に誕生した第1子の長男・伊吹君の存在も言葉にできないほど大きかった。「顔を見るだけで癒やされる」。家族が心を奮い立たせる原動力であった。
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