期間は1年と2-3ヶ月。
──なぜこの仕事を選んだの?
単にコネ。履歴書に書けてすぐ使える資格は普通免許くらいしか無かったし、このトシで未経験でも就ける仕事ってことで、社長さんを紹介してもらったんだよね。
──辞めた理由は?
1.その場その場での、いわば瞬発力が必要な仕事ではあるが、自分にはそれが無かった。特に路面工事でよくおこなう片側交互通行では、トランシーバーで他の隊員と連携しながら、タイミングを見計らって自動車列を止めたり流したりするが、この業務が自分は一番苦手だった。おまけに、ドライバーらからは罵声を浴びる事もしばしば。これとか車線規制や駐車場での誘導では、夏場は日焼けで肌が火膨れや熱中症になる危険が・夜間のそれでは(特にタクシーなどに)うっかり轢かれかける事が何度もあった。また建築・解体現場でのダンプの出入りでの門扉開閉では、タイヤについた泥が歩道や路面にこびりつかないよう水を撒くのだが、水撒きの際に通行人や自転車に水が掛かりそうになり謝るのも常で、そういう時の対処が自分はヘタだった。
2.どこに行ってもタバコ臭が漂っている。隊員の多くは、年金の不足分を稼ぐ目的な年配の人が多いのだが、ざっと見たところ半数以上は喫煙者である。これは事務所でも同様で、紫煙がただようほどでは無いものの応接コーナー兼用の休憩スペースの灰皿は常に吸い殻が溜まっていた。さらに、警備対象現場へ向かう隊員チームを詰め込んだハイエースの車内は、さながらアヘン窟なみの煙たさで、これは非煙者の自分には地獄だった。帰りの電車の車内に入ると、案の定というか衣服にはタバコの臭いが染み付いているのがよくわかったほどだ。もっとも、管制担当者(隊員らの配備現場を決める人)もその辺りは察していたのか、タバコの影響が少なく通勤できる直行直帰の現場を、自分にはよく割り振ってもらってはいた。
3.悪い意味での『体育会系』の雰囲気。(対外役職としては常務な)社長の再婚相手の息子が現場を仕切る『隊長』となる場面が多く、仕事はそこそこ出来るヤツなのだが『かなりの気分屋で、受け応えの悪い隊員には年上だろうが鉄拳制裁』で、そういった彼の振る舞いに嫌気が差して辞める隊員が少なからずいた事を知ったのは、働きだしてしばらくしてからだった。ちなみに彼の前職は鳶職などで、外見や体格・音楽の趣味などはモロに『ヤンキー』のそれである。
なお、寒さや暑さ、時期によっては大雨などの、気候への対策は衣服で調節するわけだが、自分がそれら気候によって体調を大きく崩した経験がなかったのは、ある意味幸運だったのかもしれない。
──勤務条件はどんな感じ?
大まかに分けると、建築現場や行政施設や病院などでの立哨(りっしょう・立ち姿での見張り)だと、日曜日が休み。それ以外の商業施設や競技場での駐車場誘導や出入口だと、平日(曜日は不定休だが、ほぼ1週間に1回)が休みというパターン。ただし、年末年始の初詣やGWほか『人出が多い』時期(お寺なら節分や春・秋の彼岸、神社なら『十日戎』や例祭など)には、大半の隊員は行事での警戒警備へ優先的に配備される。そういった業務集中の時期を除けば、事前申請しておけば休みは比較的取得しやすい。勤務は連続8時間が原則で、突発的に葬儀場の通夜の警戒や小規模路面舗装などの夜勤が続けて入る例もあるが、そういったスポット勤務はおもに、稼ぎを優先したい人に回されていたようだ。ちなみに自分は最後までヒラだったので、時給1000円×8時間=8000円が額面としての基本日給(夜間・深夜手当が付かない勤務の場合)だった。
普通運転免許は、単独・2名・数名の隊員やカラーコーン・コーンバーや予告看板(『この先50m工事中』などのアレ)などを積んで現場まで運ぶ際に必要になるので、できれば持っていたほうがよい。またこれとは別に、国家資格である『交通誘導警備業務検定』や『雑踏警備業務検定』などがあるが、これらは警備会社で働きながらおいおい取得するという意味合いが強い。種別としては2級と1級があり、1級ともなると『警備計画書を請負い先に提出』ができるだけのスキルが必要になる。複数の隊員が配置される警備現場では、隊員のうち誰かが業務目的に沿った資格の保持者でなければならない(1・2級は問わず)し、そのことで給与面にプラスになる…とされる。
ただ、業務経験を通じて言えるのは、どちらかといえば対人対応スキルのほうが重要であろうということ。日課としての業務報告の電話連絡で、特に請負先とのトラブルがあった際に事務所へ伝えるのが遅れたりして不信感を与えたりすれば、以後の業務にも差し障りがあるのは世間のほかの仕事と変わりない。
請負先以外への対処では、通行人が多い環境の現場なら周辺部の道案内も必須(特に商業施設の周辺や駐車場内誘導・駅に通じる通路での現場の場合)。またその場合、道や場所を訊いてくるのも日本人だけではない例も最近は珍しくなく、ある程度の英会話力があれば望ましいとは言える。
──もう一度、戻る事は考えている?
自分はもうこりごりだけど、中には以前に所属した警備会社に『出戻り』する人もけっこういるらしい。60代・70代になると、雇ってくれる会社がなかなか無いこともあるが、勤務形態もフル勤務以外に週3日などで勤める人が多いのも、この業種の特徴。
お疲れ様、次は警備員がお勧めだよ 自宅の
誘導やめて施設警備探したら
施設警備そのものの募集は思ったほどにはないと思う あれは基本的には警備会社の中で回すものだ 外回り的に過酷ではないというのもあるし、放っておくと怠惰な人がついてクライアン...
タイムズみたいな機械駐車場の大手に行けば 契約社員かもしれんが
タバコがきついってのはわかるなあ 高校卒業して大学入学前に数回引っ越しのバイトしたけど、移動中のワゴン車内のタバコ臭さがほんとしんどかったもん いわゆるブルーカラーのほう...
ブルーカラーは疲れやすいんでしょ。 疲労が強いと、従来の欲求にそう快楽を求めちゃうから。 やっぱりタバコや酒は「快楽」なんだよ。
ホテルの警備ええで イレギュラー少ないし給料もいい