24時間のワンオペ育児は相当にハード。ナニーサービスはもっと知られていい
みんなの介護 三浦さん自身、お子さんを育てながら働くワーキングマザーです。だからこそ、働く女性の苦労を身に沁みてわかるのではないですか?
三浦 娘が生まれたときは30日しか育児休暇をとれませんでしたから、生後10ヵ月で保育園の入所が決まるまでの期間は、24時間ワンオペ育児で辛かったですね。赤ちゃんだった娘をスリングで抱いて職場に連れて行き、足下で遊ばせていたりして。
娘が保育園に通うようになっても、お迎えの時間がありますから、夜の会食の予定はほとんど入れられませんでした。
ようやく妥協することなく仕事に臨めるようになったのは、今年、娘が小学生になり、ナニーさんに来てもらうようになってからです。
みんなの介護 ナニーさんには、どのくらいの頻度で来てもらっていますか?
三浦 土日を除けば、ほぼ毎日です。
その日の予定次第でお願いする内容は変わりますが、私の帰宅が深夜になる日は学校や習い事の送り迎えからオヤツや夕食の用意、お風呂などはそうですが、宿題をみてもらったり、パジャマを着せて寝かしつけるところまでフルにやってもらっています。
みんなの介護 費用はどの程度なのですか?
三浦 それなりですが、当然のコストだと思っています。
しかし、自分の給料が全てナニー料金に取られても働き続けるアメリカ女性と比べ、日本女性はそれほど払いたがりません。自分だってやらない低い賃金を、ナニーさんに求めるのはおかしいんですが…。
そう考えると、現在の社会の認識では、私はまだまだ少数派なのかもしれないと思うことはあります。
娘が産まれてきてくれたおかげで、子どもの教育や女性の生き方などが身近に感じられるようになった
みんなの介護 旦那さんは育児にどれくらい協力してくれますか?
三浦 お互いの時期にもよりますが、私が研究者として仕事に力を入れたいときは、積極的に育児をしてくれました。反対に、彼が独立して起業してからは長期滞在で海外にいる時期もありますから、そのあたりは阿吽の呼吸で調整しています。夫婦でお互いのキャリアを支え合ってきた経験が活きたのだと思います。
みんなの介護 ナニーさんなどに育児の一部をアウトソースしたことで、「あのとき自分の手で育児をしておけばよかった」と後悔することはないですか?
三浦 それはきっと、ないと思います。親が2人とも仕事に妥協せず、全力で取り組むのが私たちの家の形だから。
それに、自分で言うのもなんですけど、娘は聞き分けのいい、良い子です。ときどき、習い事に行くのをサボりたがったりすることはあるけれど、時間をかけて会話をすれば「ママとの約束○ヵ条」を紙に書いて守ってくれます(笑)。
みんなの介護 微笑ましいです(笑)。三浦さんにとって、母親になったことはどんな経験でしたか?
三浦 娘を産んだことは私にとって、とてつもなく大きな出来事です。
母親になったことで、娘の世代に解決不能な社会問題を積み残すことはできないと思ったし、明るい未来を手渡ししなければならないという使命感が生まれました。
研究者としては国際政治学が私の専門ですが、子どもの教育や働く女性の生き方というテーマは私にとって、とても身近で重要なものになりました。これからも、その分野でしっかりとした情報発信をしていきたいです。
「アベノミクス」「憲法9条」「対米外交」など、2015年から2018年の間で特にフォーカスされたトピックについての評論。平成という時代のラスト数年の政治的軌跡をまとめた本書は、次の時代を担う”あなた”に向けられたもの。是非、この時代を公平な視点から振り返ってほしい。