【大相撲】「ああ、そうだね」 白鵬、不安払拭の令和初白星2019年7月8日 紙面から
◇名古屋場所<初日>(7日・ドルフィンズアリーナ) 先場所優勝の朝乃山(25)=高砂=が力強い相撲で大関豪栄道を破った。両横綱はともに新小結を退けた。休場明けの白鵬(34)=宮城野=は阿炎の動きをよく見てはたき込み、鶴竜は竜電を圧倒した。炎鵬(24)=同=は元関脇の豊ノ島に勝ち、白星スタート。高安は北勝富士を押し出したが、大関復帰の栃ノ心は遠藤の出し投げに屈した。御嶽海、玉鷲の両関脇は黒星スタート。 白鵬がきっちりと借りを返した。阿炎には初対戦の昨年夏場所で金星を与えている。休場明けの初日としては嫌な相手だが、阿炎の頭を右から押さえ付けるようにして土俵に沈めた。 春場所千秋楽で右上腕二頭筋を負傷し夏場所は全休。ということで、これが白鵬にとって令和初白星となり「ああ、そうだね。乗っていきたいです」と笑顔を見せた。 親交の深いトヨタ自動車の豊田章男社長がこの日の朝稽古を見学。今年からトヨタスポーツセンターを宿舎にさせてもらった感謝を込めて、昨年秋場所で締めた綱を豊田社長に贈呈した。 「縁起物だからと思って。今年から名古屋でお世話になってるから」 昨年秋場所は8日目に前人未到の横綱800勝を記録し、14日目には史上初の幕内1000勝と41回目の優勝を同時に達成した。その思い出の綱だった。 初日の取組はただ勝っただけでなく、大きな収穫を得た。「右を使いたい(と思って)、使ったというのは。本場所で右を出せたというのはいいという感じ」と、残されていたけがに対するわずかな不安を払拭(ふっしょく)できた。 2日目は場所前に出稽古に来た朝乃山戦。まずは、目の前で豪栄道を寄り切った朝乃山を「いい相撲を取ったんじゃないですか」とたたえた。しかしすぐ「そうはいかない、といういい相撲を取りたいね」。自信の言葉であすを見据えた。 (岸本隆)
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