弓道での的中の要は、押し手の手の内ではなく、勝手の手の内~取り懸けであると、言う人はどのくらいいるでしょうか。ここで本物かどうかが解ります。既成概念の受け売りか、実体験に基づいたものかと言う事です。
取り懸けは無造作に作りがちですが、最も的中につながる重要なものです。
正しく慎重に行いましょう。
<取り懸けの重要なポイント>
弦とカケ帽子はほぼ直角にする。
これを前提に取り懸け方やカケの形が出来ているからです。
直角がくずれると他の方向への分力が発生します。この分力がブレの原因となるのです。
親指が少し下を向き、たぐり気味になっている人を多く見かけます。これでは、矢軸線方向にまっすぐな離れは実現できません。
②筈は人差し指と親指の間の凹部分に置く。
人指し指の凸部に置くと、人差し指の第一関節部分が矢に当らず、矢口が開く。また、矢をカケ解きの捻りの中心近く置くためでもある。
③中指の第一関節の真下か前でカケ帽子を押さえる。
第一関節より後ろに置くと、親指が離れで第一関節の膨らみにひっかかり、離れが鈍くなる。人差し指は中指に添えるようにする。
④中指と親指はほぼ平行に近づく様に薄くする。
暴発を防ぐためには、引き分けでは親指を中指で覆うように押さえるが、会では中指で親指を前下に押し出す様にして薄く絞ることで、取り懸けが解けやすくなる。これにより軽妙な離れが生まれる。
離れの瞬間弦は3つの指の間をすり抜けて出ていくので、指は真っ直ぐに近くなければ弦に当たり、ブレの原因になります。
⑤親指を中心に弦を捻る。(人差し指で矢を巻き込む様にする。箆(の)じないさせないこと)
弦捻りは、引分けでは弦を弦枕に密着させて暴発を防ぎます。会ではカケ帽子を起こし取り懸けを解く作用となります。手首に力が入らないよう肘から先の腕全体で捻ることで、肘から手先までが、鞭のようにしなやかになることで、離れの際のブレがなくなるのです。
⑥取り懸けが解けるまで、カケ帽子を中指で押し出しつつ(重要)、捻りと肘の張りを膨らませ続ける。
会では張りに合わせて、中指で親指の腹を前に押し出すように(親指の上を滑らせるように)します。これが取り掛けのロックを外して、離れに導くための重要な目に見えない動作となります。力を加えるのではなくただ方向を変えるだけでいいのです。これで始めて離れへのスタートラインに立てる事になります。弦捻りと肘の張りは、離れるまで続けます。
https://m.youtube.com/watch?v=bm3vRheQwEk&t=7s
ただし、取り懸けの手の内は流派によって異なるので、注意してください。
次回は、的中について を予定します。
的中と仲良しになるために、またのお越しをお待ちしております。
解りにくいところがあれば、遠慮なくご質問ください。
弓道の的中(射技)の物理的考察
もくじ
0.弓道の再開
1.はじめに
2.的中のための取り懸けについて(三つガケの場合)
3.的中について
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