「イスラム国」で戦闘計画 5年後に書類送検なぜ?[2019/07/07 14:49]

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000158914.html

 3日、過激派組織「イスラム国」で戦うため、シリアに渡航しようとした疑いで男5人が書類送検された。適用されたのは「私戦予備及び陰謀」の容疑。聞き慣れない罪名だが、それもそのはず、国内で初めて適用されたのだ。

 私戦予備及び陰謀罪とは「外国に対して私的に戦闘行為をする目的でその予備又は陰謀をした者に対し3カ月以上5年以下の禁錮に処する」と定められている。今回、書類送検されたのは、イスラム研究者の中田考元同志社大学教授、フリージャーナリストの常岡浩介氏、渡航しようとした元北大生と千葉県の男性、渡航を呼び掛ける張り紙をした書店関係者の5人。
 シリアへの渡航準備を行っていたとみられる時期は約5年前の2014年8月ごろ。警視庁公安部は元北大生の関係先を家宅捜索し、旅券を押収するなどしていた。警視庁によると、元北大生は任意の事情聴取に対し、「『イスラム国』で戦闘員として働くつもりだった」と供述しているという。私戦予備及び陰謀の容疑。今回、どうして適用されたのか。そして、5年もかかった理由とは一体…。
 元警視庁公安捜査官・江藤史朗氏によると…。
 元警視庁公安捜査官・江藤史朗さん:「今年の4月、『イスラム国』最高指導者・バグダディ容疑者が殺されたと言われていたのがテレビに出た。まだまだ、『イスラム国』は残ってるな。バグダディ容疑者の会見さえなければ今回、(送検は)なかったかもしれない」
 送検まで5年かかったわけではなく、4月の最高指導者・バグダディ容疑者とされる男の映像公開を受け、該当の人物たちが「イスラム国」との関係が続いているか追跡調査した結果だという。また、初の適用には諸外国へのアピールの意味合いも。
 元警視庁公安捜査官・江藤史朗さん:「2020年、東京五輪を控えてることもあって体制を組み直して過去を見直していく。そのなかでまだ起訴してない部分があるからこれはきちんとしなきゃいけない」