ケース面接において、面接時間内(大抵は10分間)に解答をまとめ上げるためには、自分の解き方の型を決めて置くことが最も大切です。
(実際にやってみてください。時間が少なすぎてビックリするはずです。)
この記事では、私がいつも10分でケースを解くときに従う型を解説します。ぜひ面接対策の参考にしてください。
ケースを解く際の基本的な流れ
前提確認、クライアント確認は終えているという仮定で進めていきます。
自分はいつも以下の3ステップで考えています。
1、ターゲットの推定
2、ボトルネックの推定
3、打ち手の考察
それぞれ詳細に説明を加えます。
1、ターゲットの推定
ボトルネック/打ち手を考える前に、「今考えている商品やサービスは、誰に対してのものなのか?」ということをあらかじめ大まかに考えておきます。
例えば、「マクドナルドの売り上げを上げるにはどうしたらいいのか?」というケースに対し、20代の若者に対して考えているのか、60代の年配の方に対して考えているのかを明確にしていなければ、ボトルネックの推定や打ち手がずれたものになってしまいます。
このターゲットの推定には、
- 二軸での整理
- 年齢による分類
- 時間による分類
などをよく使います。
2、ボトルネックの推定
次に、現状の分析を行いボトルネックを推定します。個人的にはこのパートが最も大切で時間をかけるべきだと考えています。
ここで最も意識してほしいことは、「ボトルネックはどこかを分析している」ということです。どこに問題があるのかを見つけるために、現状の分析をするのです。
分析しているうちにこの目的を忘れ、ひたすら網羅的に分類しようとする人や、分析しているはずなのに打ち手を出し始める人がいます。注意してください。
この分析時には、
- 因数分解
- フレームワーク(4Pなど)
をできれば二つ組み合わせてボトルネックを考えていきます。
ここでは、因数分解/フレームワークのうち、二つ組み合わせるということを意識してください。実際の面接時ではみなさん緊張します。タイムプレッシャーもある中で、一つだけの使用で分析を深めることはかなり難しいと思ってください。分析が浅いまま打ち手の考案に移ると、その後の議論も浅くなってしまいがちです。二つ組み合わせることにより、これを防ぐことができます。
3、打ち手の考察
1で考えたターゲットと、2で判明したボトルネックに対し打ち手を考察していきます。
ここは時間の関係上、アイデアベースで考えて良いと思っています。
ただ例外は、ボトルネック推定が簡単にしかできなかったときです。この時は打ち手を充実させるしかありませんので、打ち手の考察でフレームワークを用いて考えていきます。
ケースは分類すると3種類
ケースは色々なものを題材にすることができますが、大まかに次の3種類に分けられると個人的には思っています。
1、ビジネス系 上げる増やす系
2、公共系 問題解決
3、個人系 問題解決
基本的な解き方は上で解説した通りですが、細かなところを解説していきます。
1、ビジネス系 上げる増やす系
ビジネスにおいて何か(売り上げや客数)を向上させたり増やしたり、というケース。クライアントは企業。
ボトルネック推定時に、
因数分解+ものを変えられるなら「4P分析」、ものを変えられないなら「認知欲求行動」のフレームワークを用います。
ボトルネック推定に使用するフレームワーク | 例 | ||
因数分解 例 売り上げ=来客数×購入点数×商品単価 | ➕ | ものを変えられる場合 4P分析 | マクドナルドの売り上げを向上させるには |
ものを変えられない場合 認知欲求行動 | チェス人口を増やすには |
ビジネス系は売り上げの向上など、因数分解が使える場合がほとんどであるので、まず因数分解を行います。その後、二つ目として4P分析か認知行動要求のフレームワークを用います。
ものを変えられる/変えられない、とは問題になっているものを本質的に変えることができるか?ということを指します。例えば、「ホノルルマラソン」というものはそのものの仕組みを作り変えることができますが(クライアントが開催者の場合)、「チェス」というものはクライアントがチェス協会でも作り変えることができません。
2、公共系 問題解決
世の中で問題になっていることを、公共の視点で解決するケース。クライアントは公共機関が多い。
ボトルネック推定時に、
時系列/ステップ/その他フレームワーク を組み合わせることが多いです。
ボトルネック推定に使用するフレームワーク | 例 | ||
時系列/ステップ/その他フレームワーク | 東京からカラスを減らすには |
公共系は因数分解を使えない(あるいは因数分解しても意味がない)ことが多く、フレームワークの選定が重要になります。
その場その場で対応していく必要があるので、比較的難しい(つまり考えがいがある)ケースだと思います。
3、個人系 問題解決
個人の問題を解決する、というケース。クライアントは個人。
ボトルネック推定時に、「精神的/物理的」というフレームワークを使用することが多い。
深くボトルネック分析できないこともあり、打ち手に「飴と鞭」というフレームワークをつかうことも。
ボトルネック推定に使用するフレームワーク | 打ち手に使用するフレームワーク | 例 | ||
精神的・物理的/その他フレームワーク | 飴と鞭/その他フレームワーク | ダイエットするには 英語を話せるようになるには |
個人の問題は、結局のところ精神的なハードル/物理的なハードルを、いかに飴と鞭を使って取り除くのか?ということに帰着することが多いです。
ケース・フェルミをまとめた記事はこちらです。