【野球】東邦・石川「圧倒的に勝ちたい」 高校通算54号にも満足せず2019年7月7日 紙面から
西東京、大阪、福岡などが開幕して12大会で41試合があり、愛知では、今春センバツ優勝校の東邦が天白に7-0で8回コールド勝ちし、初戦を突破。今秋ドラフト上位候補の主砲、石川昂弥内野手(3年)が、1回に高校通算54本目となる先制2ランを放った。昨夏の東愛知代表の愛産大三河もコールド発進した。静岡大会は雨天中止となった。 華々しい一発で、石川の最後の夏が幕を開けた。今夏の最初の打席となった1回。1死一塁で、天白の先発・太田の真ん中外寄りの直球を最初のスイングでとらえた。打球は低い弾道で、右中間芝生席に着弾。ドラフト上位候補スラッガーの高校通算54号の先制2ランが、春夏連覇を狙うチームに勢いをもたらした。 「感触は良かった。早いうちに1本出て、楽になった。ホッとした。60本が目標なので、そこを目指したい」と石川。第2打席以降は一度もバットを振ることなく、4打席連続四球。「簡単にストライクは来ない」と球を見極めて出塁し、コールド勝利に貢献した。 春はエース、主砲としてセンバツ大会で優勝。投げては全5試合に先発、打っては3本塁打を放ち、平成最初&最後の優勝を実現させた。春夏連覇と、令和最初の甲子園優勝が懸かる最後の夏は、本職の三塁手で挑む。 「試合中に疲れないから楽。打撃に集中できる。その分、打たないといけない」。大会前は状態に波があり、「正直、あまり調子は良くない」と打ち明ける。タイミングが取れず、スイングが中途半端になっているというが、初戦の一発でモヤモヤは吹き飛びそうだ。 この日は中日、阪神などがネット裏で視察した。4人態勢の中日・米村チーフスカウトは「数々のスラッガーを見てきたが、最後の夏初戦の第1打席で本塁打を打つのは、なかなかない。天性の長打力があるし、運も華もある」と絶賛。中田スカウトアドバイザーも「体格もいいし、肩も強い。三塁手としてはうってつけの存在。高校生野手では文句なしのナンバーワン」と賛辞を並べた。 センバツ後の春の県大会で初戦敗退し、今大会はノーシードとなったが、順調に初戦を突破した。2回戦では好投手、石黒を擁する星城と対戦する。「きょうのような試合ではダメ。圧倒的な力で勝ちたい。全ての面で調子を上げたい」。浮かれることなく、次も難敵に向かっていく。 (麻生和男) ▽1回戦(春日井市民) 天白 00000000―0 東邦 22200001―7 (8回コールドゲーム) (天)太田、鈴木流、佐藤、大塚、次森、飯原、太田-神谷 (東)植田、奥田-成沢 本塁打 石川、植田(東)
|