【一般スポーツ】吉田沙保里さんの兄が「金」のタックル ラグビーTLホンダに伝授2019年7月6日 紙面から
レスリング王国・三重の技を注入だ! ラグビートップリーグ(TL)のホンダは、課題とされた守備を改善するため、五輪3大会連続金メダリスト吉田沙保里さん(36)の兄で、指導者の栄利(ひでとし)さん(39)からタックルを教わるなど強化に本腰を入れた。実戦での手応えは上々。攻守のプレー精度を高め、6日のTL杯第3節パナソニック戦(埼玉・熊谷)に挑む。 普段と異なる体の使い方に、選手が息を切らした。栄利さんの講習会は4、5月に計3回実施した。特訓は約40分間で、レスリング式のタックルだけでなく、前転や受け身を反復。相手選手を逃さない腕の使い方や、左右の揺さぶりに対応する足さばきを教わった。 守備強化を狙ったコーチ陣の提案がきっかけ。昨季のTL白組では、7戦で207得点を挙げた一方で、221失点を喫した。強化策として柔術が候補に挙がる中、五輪3連覇の吉田沙保里やリオデジャネイロ五輪女子69キロ級金メダルの土性沙羅らを輩出した一志ジュニアレスリング教室(津市)の監督を務める栄利さんに指導を仰いだ。 タックルは両種目の共通点だが、特にラグビーでは相手の突進を止める動きが必要だ。主将のフランカー小林亮太(28)は「レスリングのタックルに移る瞬間の動きや、相手の倒し方を生かせる」。下半身に体重を乗せ、腕の力で引きつけて、捕まえて体を倒す動作に効果を見いだす。 成果も表れた。2部の栗田工業とのTL杯第1節は、チーム集計で、過去最高のタックル成功率でトライを許さずに快勝。第2節は強豪サントリーに40失点したが、ダニー・リー・ヘッドコーチ(43)は「タックルで相手に圧力をかけ続けた」と評価した。 五輪女王も磨いた技を学び、武器としつつあるホンダ。攻守をかみ合わせ、次こそTLの強敵を崩しにかかる。 (高畑章)
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