国内居住者が海外の不動産を購入するのに支出した金額も急増している。韓国銀行が5日、国会の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)議員=自由韓国党=に提出した資料を見ると、韓国から流出した海外不動産購入資金は2016年の3億800万ドル(約334億円)から昨年は6億2500万ドル(約678億円)に達したとのことだ。大手金融法人が投資目的などで送金する額と、一般法人の営業所・海外支社設立のための送金額は除いた数字だ。
建国大学のシム・ギョオン教授は「政治・経済的不安が資産家だけでなく中産層までも海外に向かわせている」と語った。外交部によると、海外移住申告者数は2014年から16年までは249人→273人→455人と特に大きな変化はなかったが、17年には825人、昨年は2200人と急増しているとのことだ。
移住者急増について、韓国政府は今年5月、「制度の変更により、海外移住者が国民年金を一時払いで受け取れるようになったため、『海外移住申告書』の提出が集中したことが原因だと推定される」と述べた。しかし、複数の専門家は「そのような理由だけで最近の急増ぶりを説明することはできない」と話す。事実、韓国社会の所々で移住者増加を示す現象が生じている。