2人は背も高いし、共通点は多いけれど、雰囲気だけは正反対だ。ポゴリラヤがこってりした色っぽさなら、カロリナはさわやかな色気の持ち主。僕的には、妖精のような色っぽさを持つ浅田真央(中京大)に力強さをつけたらカロリナになるイメージだ。
その点、女子で誰もマネできない個性の持ち主はケイトリン・オズモンド(カナダ)。ジェイソン・ブラウンと似ていてプログラムの演出がユニークだし、大人の女性の色っぽさがある。と同時に、かわいらしさが共存している。彼女が「かわいいおばあちゃん」になる姿が容易に目に浮かぶ。
■羽生は演技中の心の動き追うと面白い
体を大きく振ってジャンプを跳ぶタイプだから、うまくタイミングが合わないとジャンプが崩れるリスクもある。よいジャンプが決まったら迫力満点だ。
「これぞ米国の女性」という感じなのが、昨季世界選手権2位のアシュリー・ワグナー。力強さを前面に出して、観客を盛り上げるのがものすごくうまい。気持ちで自分を引っ張って盛り上げて、ついでに観客まで引きずりこんで、自分が滑る物語の一部にしてしまう。だから、アシュリーも印象に残る。
日本のスケーターは皆さんがいつも注目していると思うので、今回は多くは言わない。宇野昌磨(中京大)は今が頑張り時だ。自分でわかっているからだろう、ものすごいスピードで次々と新しいこと、難しいジャンプに挑戦している。今大会でどんなものを見せてくれるか注目したい。羽生結弦(ANA)は、演技中の気持ちの動きに注意している。割と気持ちが演技に出やすいタイプだと思う。演技が始まって徐々に自分で盛り上がっている感じが見えたら、全く心配ない。たとえ演技直前の6分間練習がよくなくても、気持ちさえ乗れば心配ない。だからこそ、ささいな心の揺れが演技に大きく出てしまうこともある。彼の心を追うのもおもしろい。
(バンクーバー冬季五輪銅メダリスト)
目に見えた成長や勢いを感じる選手には得点が出やすい傾向がある。如実に感じたのは1月末の四大陸選手権を制した金博洋(中国)だ。「ジャンプだけ」という印象を変えた。素の良さを引き出すプログラムの巧みさも
シーズン前半戦が終了、いよいよ各国で平昌五輪選考会が始まる。
女子は世界女王エフゲニア・メドベージェワを筆頭に、ここまでは技術力の高いロシア勢が目立つ。前半のハイライト、グランプリ(GP)ファイナル
フィギュアスケートの世界選手権が3月29日、ヘルシンキで開幕する。来年の平昌五輪の出場枠がかかり、例年以上に注目が集まるけれど、それはひとまず横においておきたいと思う。僕は演技を見るとき、スコアのこ
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