放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は5日、日本テレビのバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」で、やらせ疑惑が報じられた海外の二つの祭り企画について「程度は重いとは言えないが、放送倫理違反があった」との意見を発表した。二つの祭りは実在しなかったが、日テレの確認が不十分だったとした。
問題の企画は、昨年5月放送のラオスの「橋祭り」と、2017年2月放送のタイの「カリフラワー祭り」。検証委は、いずれも、現地のコーディネーターらが番組のために用意したと認定し、日テレについて「十分な確認をしないまま、元々ある祭りに参加しているように視聴者を誘導した」と判断した。
検証委は同日、日テレから報告を受けたその他の祭り企画109回の調査結果を公表。初開催なのに「年に一度の」と紹介したり、収録日程や演出の都合から本来と異なる形で開催させたりしていた企画が19あった。
検証委はスタッフらが祭りの開催過程を十分把握せずに「実際と異なるナレーションや字幕を付けていた」点を問題視。ただ番組を盛り上げるのが目的で「用意した祭りであることを隠蔽(いんぺい)する意図はなかった」とした。日テレは「二つの祭りに限らず、放送に至るプロセスには反省すべき点があった。事実と異なる情報を伝えてしまったことをおわびします」と謝罪した。祭り企画は制作態勢が整い次第、再開したいとしている。