【ドラニュース】藤嶋あるぞ!!新「8回の男」 ロドリゲス抹消で代役候補2019年7月6日 紙面から
明るく元気な若武者が帰ってきた。右手の血行障害を乗り越えた中日の藤嶋健人投手(21)が5日、今季初めて1軍昇格。故障や不調が相次ぐ救援陣を救うべく、リリーフとして起用されそうだ。同日のヤクルト戦(浜松)は雨で中止となった。 小雨が降る浜松球場にひときわ明るい笑顔の花が咲いていた。血行障害の発症から半年。藤嶋が1軍の舞台に戻ってきた。晴れやかな表情には、戦いの場にたどり着いた喜びがあふれていた。 「今はチームの力になりたいというのが一番の気持ち。与えられた場所で自分の100パーセントの力を出していくだけです」 前向きな思いにあふれる若竜の合流。その吉報とは裏腹に、救援陣には緊急事態が発生した。ここまでチーム最多の39試合に登板、防御率2・00と抜群の安定感を誇ってきたロドリゲスが右臀部(でんぶ)の張りで出場選手登録を抹消された。代わりに誰がセットアッパーとして「8回」を投げるのか-。 その問いへの阿波野投手コーチの答えは「適所適材」だった。一般的に知られる「適材適所」とは違う。最初に来るのは人材の「材」ではなく、仕事場となる「所」だ。あくまでも役割ありき。まずは仕事場を明確にした上で、そこにふさわしい人材を当てはめていくという意味だ。 これまでロドリゲスが担ってきた「所」が、大きな穴として空く。阿波野コーチは「7回以降というのは簡単に抑えられるイニングじゃない」と言う。力がなければ務まらない。そしてこう話した。「力のあるピッチャーはいる。藤嶋だってそう」。昇格したばかりの右腕も「8回」の適材候補に挙げた。 「今はリリーフで力を発揮してもらいたいなという思いですね」と与田監督も期待する。2軍でのシート打撃登板など、要所要所で映像で確認してきた指揮官。何より6月25日に参加した1軍練習で直にブルペン投球を見て、「かなり力強い腕の振り、体の使い方ができていた。手術後の影響、不安は払しょくできるような状況だった」と復調を確信していた。 マウンド度胸と投球センスは昨季、すでに証明済みだ。先発ローテーション入りを期待されていた今年は1月に血行障害を発症。2月中旬にカテーテル手術し、その後は地道なリハビリの日々を続けてきた。「今季は投げられるとは思っていなかった」。本人も驚く回復ぶりで1軍への切符を手に入れた。
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