苦言と提言
maneoで新たな延滞が発生しています。
今回は私は運よく対象ではありませんでしたが、内容を紹介します。
それにしても、これだけ遅延が連打しているのにまだ資金が集まっているのはちょっと意外な感じです。
さすがにちょっとmaneo側には苦言を呈したいところです。
・maneo決算書
上記決算書によるとmaneoの四半期における販管費は、おおよそ2億円。
税金その他考えても、1年で20億円もあれば資金はショートしないと思います。
で、maneoの現預金は80億円以上ありますので、問題が一段落するまで新規案件の募集を止めたらどうで
しょうか、というのが提言です。
それで資金ショートして事業者が吹き飛ぶなら問題ですが、現在の状況ではそうはならないでしょう。
もしmaneoが現状で匿名化を解除しており、投資家との情報の非対称性がないのならともかく、匿名化によ
り投資家が情報を把握しきれない状態で募集を続けるのは適切とは言えません。
「投資するのは投資家の自己責任でしょう?」と言えるのは、情報の非対称性を減らす努力をしている場合
に限ると思います。
新規募集案件の自主停止とか思い切ったことをすれば(もちろん、案件組成基準の見直しも)、すべてが
片付いた後、また投資したい気持ちも少しは残っているのですが、どんなものでしょうか。
延滞案件の紹介1
・(その1)【延滞発生に関するご報告】不動産事業者DR
葛飾区の土地を担保とする案件です。
説明によると、「昨今の投資用不動産に対する融資基準の厳格化や新規融資の抑制、一部アパートブランド
(レオなんとかでしょう)の施工不良に係る報道などの影響が急速に市場に広が」ったため、見込み顧客に
おいて銀行融資が受けづらくなったことが原因とのこと。
それ自体は理解できる説明です。個人向け不動産市場は冬の時代ですね。
ただ、次の一文は「知らんがな」という印象しか持ちません。
組織内部における不和や代表者の一変した態度を含む経営状態の悪化から、事業者C社から不動産事業者DRへの連絡にも支障が生じて参りました。
それを調べてリスクアセスするのが、金融事業者の務めでしょう。
最終貸付先の内部事情は投資家には知ったことではなく、延滞の弁明に持ち出すものではないと思います。
延滞案件の紹介2
・(その2)【延滞発生に関するご報告】不動産事業者BT
埼玉県坂戸市の物件を担保とする案件です。
こちらも個人向け販売が低調(銀行の融資承認が得られにくい)なため、延滞が発生したとのこと。
ただし不動産収益は続いており、不動産事業者BT→事業者C社の間の貸借契約が延長合意されていること
から、時間はかかりますが状況は安定しているものと思われます。
ところで、ここまでの遅延で投資家に迷惑をかけている自覚があり、それについて何とかしたいという考え
がもしあるのなら、一つ提言です。
「新規投資家からのファンド出資による延長対応は募集審査規程上の要件を満たしきれません」と言うだけ
ではなく、C社による連帯保証くっつけて利率少なめで再募集したらどうでしょうか。
(この案件だけではなく、すべての案件に言えることですが)
それならC社もお金の重さを再認識することになり、利害一致が促進されるのではないかと思案します。
延滞案件の紹介3
・(その3)【延滞発生に関するご報告】事業者DE
太陽光関連事業に関する貸付です。
資金用途が太陽光事業の取得と運営、再売却という転売ビジネスですから、ある意味これまでの3案件の中
で延滞理由にはもっとも納得がいきます。
延滞の理由は当初の事業計画期間内で計画の完遂が難しくなったこと。
事業者DEの経営状況は安定しており、利息の支払いも問題はないとのことで、内容は安定しています。
したがって、時間が解決するタイプの延滞案件ではないかと思います。ただし今後の事業において何らかの
トラブルが起きれば、どうなるか分からない不確実性はありますが。
クラウドリースのセレクトファンドは返済有り
一方で、少しだけ明るいニュースもあります。
・【延滞案件の進捗に関するご報告】
クラウドリースセレクトファンド153号(貸付金額は2,000万円)に対して、2,000万円と少しの入金が確認
されたとのことです。
元本はこれで全額回収されたのではないでしょうか。
一方で今後も回収を続けていくと書いてあるのは、残りの利息と遅延損害金だと思います。
最後に繰り返しますが、以下3点がmaneoへの提言です。
かつての最大手としての矜持を、(あるなら)見せてもらいたいところです。
・新規ファンド募集の自主的停止(遅延案件の少なくとも大部分が解決するまで)
・匿名性の解除(貸付先もしくは担保詳細の、少なくともいずれか一方)
・貸付先(C社やAH社)との利害一致(連帯保証か劣後出資など)
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現状に対してどう取り組んでいくのかこれといった声明を出していないのも情けないです。
(そう言えば瀧本憲治氏は代表取締役でなくなったのですね。私が気付かなかっただけなのでしょうが)
案件1:C社、案件2:AN社だらけのスキームはどうなんだろうと思っていたらやっぱりダメだったかと感じます。
確か、募集から貸付実行までの迅速化が目的で間にC社を挟んでいるというような理屈だったと記憶していますが、そこに相互の無責任が生じたのではないでしょうか。そういう意味では、SALLOW様の提言は我が意を得たりです。
また、この期に及んで新規募集をしているのも理解に苦しみますね。しかも、担保も保証もない案件ばかりで投資家保護を真剣に考えているのか疑問を抱かざるを得ません。