歌舞伎俳優の市川海老蔵(41)を中心とした東京・歌舞伎座公演が4日、初日を迎えた。海老蔵と長男の堀越勸玄君(6)が共演した「外郎売(ういろううり)」では、稽古を重ねた勸玄君が鮮やかな早口の長ぜりふを披露。海老蔵も夜の部で約5時間の大作「星合世十三團 成田千本桜」で13役の早替わりに挑戦。来年5月の十三代目市川團十郎と八代目市川新之助の父子襲名を見据えた熱演で観客を魅了した。
海老蔵演じる外郎売実は曽我五郎と共に花道に登場した貴甘坊役の勸玄君は笑顔もみせ「私の名前は堀越勸玄でござりまする」とあいさつ。続く最大の見せ場では「アカサタナハマヤラワ~」と約4分間に及ぶ早口の長ぜりふを完璧に演じきり、静寂の中で固唾(かたず)をのんで見守っていた会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
海老蔵は終演直後にブログを更新し、役衣装でくつろぐ勸玄君の写真と共に「この人、凄いです。見てほしいです。もう涙とまらない」と絶賛した。