「きのう何食べた?」展の、二人の部屋に招かれた感がスゴイ!

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月に放送がスタートして以来、主人公のゲイカップルを演じる西島秀俊&内野聖陽の、原作を裏切らない再現力が話題のテレビ東京系ドラマ『きのう何食べた?』。見逃し配信の再生回数は過去最高の155万回超えを記録し、SNSでも盛り上がりを見せていたが、最終回が近づくに連れ「1週間の癒しがなくなってしまう」「冗談抜きで辛い」など嘆く声が飛び交っている。そんな中、“何食べロス”状態のファンにとって、うれしいニュースが届いた。13日から日まで、東京・渋谷のGALLERY X BY PARCOにて「きのう何食べた?」展が始まったのだ。

ということで、早速会場に潜入。ドラマの舞台セットを再現した展示や原作の漫画家・よしながふみ氏によるコミック原画の複製など、展覧会の見どころをイチ早くレポートしよう。

「原作とドラマの世界観が交差する不思議な空間を、ぜひ体感していただきたいです」(展覧会プロデューサー パルコ・重藤瑠衣さん)

細長い会場の壁一面に展示されているのは、2007年より連載中の漫画雑誌「モーニング」の原稿用紙に描かれたコミック原画の複製とドラマの劇中写真。1話から12話まで、各回の印象的なシーンや、原画とドラマのビジュアルが一致するシーンを厳選し展示されている。

「ドラマで観たシーンを改めて原画で観ると、まったく同じだったり、ほんの少し違っていたり……。見比べてみると新しい発見があっておもしろいです」(重藤さん 以下同)

“神回”と騒がれている9話のシーン。同僚の結婚パーティーで女性からモテまくったシロさん(西島秀俊)が結界をはるために、恋人のケンジ(内野聖陽)におそろいの指輪をプレゼントするというストーリー。理由はともかく、大好きなシロさんに指輪を買ってもらえるうれしさのあまり、恍惚とした表情を浮かべるケンジの写真と、その下には実際にドラマで使われたペアリングが。劇中でリングを買いにふたりで訪れた素敵なショップは、東京・表参道にある「オーロラグラン」。いつにも増して乙女キャラ炸裂なケンジに、Twitterでは「ケンジが可愛すぎて悶えた」「今日のケンジの女子力ハンパない!」「ただただ尊い」など、ケンジに萌える女子たちの悶絶ツイートでタイムラインが埋め尽くされた。

  ドラマのセットがそのまま展示されているという会場内には、いたるところに見覚えのあるアイテムが……。ドラマの宣材写真でも着用しているケンジとシロさんの衣装は、第4話でシロさん手作りのクリスマスディナーを食べながら、ふたりが出会ったときのことを回想する名シーンにも登場。ふたりを象徴するこの衣装、トルソーの身長の高さも手伝ってか、シロさんとケンジの存在をほんのり近くに感じることができる。

また、リビングの一角に置いてあるシロさんのデスクまでもスタンバイ。パソコンや時計、ペン立てなどももちろん丸ごと再現されている。毎月の食費を真剣に計算するシロさんの姿が浮かび上がるようだ。

会場内のいちばんの見どころはやっぱり、シロさんとケンジが暮らす家のリビングだ。シロさんがケンジのために愛情たっぷりの料理を作り、ふたりで幸せを噛み締めるように食べ、ときには喧嘩もする。同作にとってまさに“愛の巣”的空間と呼べるリビングは、ソファ、テーブル、電子レンジ、調味料、カウンターの上に置かれ小物入れや電話など、ドラマで使われたセットを丸ごと持ち込んだという。テーブルには、シロさん特製のいちごジャムをのせたトースト(ケンジの大好物!)とふたりが愛用するマグカップが並ぶ。ぜひゆっくりと立ち止まって隅々まで凝視して欲しい。「あんなものまで!」小さな発見にひとりニンマリするだろう。

リビングコーナーをひとしきり堪能したあとは、お待ちかねの「中村屋」(シロさん行きつけの激安スーパー)に見立てたグッズコーナーへ! Twitterでトレンド入りを果たしたジルベール(磯村勇斗)が着用していたハリネズミTシャツ、比内地鶏の水炊きや栗きんとんトースト、ラザニアなどシロさんの手料理を刺繍にした特製バッジ、中村屋のロゴ入りエコバッグなど、ファンのツボをつきながら、主催者側の作品への愛をも感じられるラインナップだ。

「せっかく買っていただくならと、エコバッグやTシャツ、ボールペンをはじめ日常使いしやすいものが揃っています。実は『中村屋』は東京・新小岩にある実在するスーパー。名前はもちろんロゴもそのままお借りしています。創業70年の老舗スーパーなので、ロゴのデザインデータは残っておらず、デザイナーにゼロから起こしてもらい作り直しました」

「もともと原作を全巻揃えているくらいに大ファンで、何かご一緒できたらいいなとずっと思ってたので、実写化されるというニュースを聞いたときは、『ぜひうちで展覧会を!』とすぐにテレビ東京さんへお声がけさせていただきました。

いち原作ファンとして、ドラマを拝見したときは、キャストやストーリーの再現率の高さはもちろんのこと、脚本の安達奈緒子さんや監督の中江和仁さん、プロデューサー、キャストのみなさんはじめ制作スタッフたちの原作へのリスペクトをものすごく感じて、圧倒されました。この展示会では、舞台セットの再現や原画や写真を通じて名シーンを振り返りながら、原作とドラマの世界観が交差する不思議な空間を、ぜひ体感していただきたいです」

展覧会プロデューサー パルコ・重藤瑠衣さん

家族、友だち、パートナー。当たり前のようにそばにいる人たちを大切にしよう。何気ない日常こそに愛があることを教えてくれた『きのう何食べた?』。そんなあたたかく優しい気持ちを心にとどめておくためにも、この展覧会にはぜひ足を運びたい。

「きのう何食べた?」展 特設サイトはコチラ

  • 取材・文:大森奈奈撮影:田中祐介

Photo Gallary8

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