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2019-07-05

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「犬も歩けば棒にあたる」は、もともとは、
 犬でもうろうろ歩いていると棒で叩かれるぞ、
 という意味だったそうだ。
 えーっ、知らなかったぁ。
 じゃ、歩いてちゃダメだっていうことじゃん。
 まったく反対の意味だと思ってたよ。
 つまり、犬だって歩いていればいいこともある、と。
 たしかになぁ、当たるのが棒だっていうところが、
 なんとなく解せないようにも思ってたんだ。
 棒に出合ってもうれしくもなんともないもんね。
 棒が、なにかの比喩なんだとしても、
 そのなにかの正体がわからないままだったさ。
 たしかになぁ、「でしゃばったらろくなことがない」
 という意味だったら、素直に棒は棒でいいんだもんな。

 でも、人になにかしらの行動を促す意味で使われる
 「犬も歩けば棒にあたる」のほうが、ずっと好きだよ。
 「吠えてばかりいないで、歩きだしてごらんよ。
 犬も歩けば棒にあたるっていうじゃないか」
 と、こっちのほうが使い勝手もいい。

 このところのぼくは、ラーメンを食べに行くせいで、
 神田、水道橋あたりを歩くことが多くなった。
 そこで自然に思うようになったのは、
 地元の人の居場所、商いの場所があって、
 同時に他所から来た人の居場所があるのは、
 いい町の特長なんじゃないかな、ということだった。
 その例を神田という町に感じているのだった。
 そこからさらに、京都もそういうところがあるなとか、
 バリ島なんかも、地元と観光客の両方の居場所があるな、
 なんてことを考え続けている。
 町っておもしろいものだなぁ、
 次に会社の引っ越しがあるときには、
 神田とかも候補になるんじゃないかなぁ、なんてね。
 こういうことを考えるようになった元々のところは、
 ぼくという犬が、ラーメン食いたさに歩き出したからだ。
 こんなふうにいいんだよ、犬が歩くということは、さ。

 棒の正体は、もう勝手に決めるよ、「発見と思考」だよ。
 スニーカーを履いてさ、とにかく歩き出すのは、いいよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ともだちの結婚の報告を聞いて、なんだか機嫌がいいのよ。


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