【野球】スゴイ打球で今年も聖地導く 敦賀気比・木下、今年は外野手で勝負2019年7月5日 紙面から
第101回全国高校野球選手権大会(8月6日から16日間・甲子園)の代表校を決める福井大会の組み合わせ抽選会が4日、福井市内で行われた。同大会は11日に福井県営球場で開会式を行い、13日に試合がスタート。日程が順調に進めば、25日に福井県営球場で決勝を実施する。 今年も甲子園のグラウンドへ。2年連続の夏の甲子園出場を狙う敦賀気比の木下元秀外野手(3年)の福井大会にかける思いは人一倍強い。昨年は投手だったが、今年は強打を生かすため外野手で勝負。15日に武生工と坂井の勝者と初戦を戦うことが決まった。 「今は気持ちの高ぶりがあります。甲子園は自分の成長を確認することができる場。自分もチームもレベルアップしているので、今から夏の大会が楽しみです。早く初戦の日がきてほしいです」 持ち味は打球を遠くに飛ばすパワーだ。「見ている人が『すごい!』と思う打球を放ちたい」という木下にはプロも注目する。しかし、甲子園から帰ってからの道のりは山あり谷ありだった。特に、昨秋に左肘の靱帯(じんたい)を痛めて、ボールを使った練習ができない時期がしばらく続いた。地道な体力トレーニングを積む中、木下は自らを見つめ直した。 「野球ができない時期は自分に対するいら立ちとか複雑な気持ちがありました。でも、今振り返ってみると、その期間があったからこそ、もっと練習したいと思うようになり、野球をより好きになることができました」 体や技術だけではなく心も一回り大きくなった木下。昨夏の甲子園は1回戦敗退とあって不完全燃焼の思いで敦賀に戻ってきただけに、今年こそ完全燃焼したいと意気込む。「プレッシャーは確かにありますけど、それに負けていたら試合で勝てない。どんな試合でも自分たちの流れに持ち込み、福井大会を圧倒的な力で勝ちたい」。木下がバットでけん引すれば、願いはかなう。 (川越亮太) ▼木下元秀(きのした・もとひで) 2001(平成13)年7月25日生まれ、堺市出身の17歳。183センチ、85キロ。左投げ左打ち。大阪・三国丘中時代は硬式のサウスウイングに所属し、3年夏に全国大会へ出場。敦賀気比に進学後は2年春の福井県大会で初めてベンチ入り。昨夏の甲子園大会は1回戦の木更津総合(千葉)戦に9番・投手で先発出場すると、投げては5イニング1/3で8安打7失点(自責6)、打っては1打数無安打だった。
|