近年の就職活動では、デジタルツールやウェブサービスが活用され、学生同士の情報交換もSNSなどで活発に行われています。そんな中、これまでにない就活スタイルとして登場したのが「インタツアー」です。
インタツアーは、就活中の学生を対象にした、株式会社学生就業支援センターが行うインターンシッププログラムで、新たな就活スタイルとして注目を集めています。
ここでは、企業にも学生にもメリットの多いインタツアーについてご紹介します。
目次
多岐にわたるインタツアーの特徴的な業務
インタツアーで参加者が体験する基本業務は、学生自身が各業界・各企業の人事部を訪問して、会社の特徴や職場の様子を見学・取材することです。そのため、事前にアポイントの電話もしますし、取材後は内容を画像とともにレポートにまとめ、インタツアー特設サイト「ビジコミ」で公開します。取材する業界は幅広いため、学生自身の知見が広がることが特徴のひとつです。
また、学生目線で取材するため、企業がアピールしたい情報だけでなく、学生が本当に知りたいこと、聞きたいことをすくい上げることができます。このため、掲載された情報は、取材者本人だけでなく、その会社に興味のある学生にとって有益なものとなります。
こうした業務はチームを組んで行うため、基礎的なビジネスマナーだけでなく、実践的なコミュニケーション経験を積むことができます。
参加要件は、大学生であれば1年生から参加でき、週1日、1回4時間から参加できます。また、参加時間に応じて就活支援金を給付いたしますので、学業と両立しやすい環境ともいえます。
このように、インタツアーは多くのメリットを併せ持つ、新しいタイプの就活支援プログラムなのです。
インタツアーのメリット
インタツアーには、これまでの就職活動とは異なるメリットがあります。ここでは、その具体的なメリットについてご紹介しましょう。
1 知らない業界・企業を知ることができる
就職活動をする際、一度志望する業界や企業を決めてしまうと、そのほかの範囲にはなかなか目が向かないものです。特に、知らない業界には興味はわきにくいものですから、どうしても学生自身が知っている業界内で完結させてしまいがちです。しかし、世の中にはさまざまな業種があり、多くの企業が日々の業務を行っています。まったく知らなかった業界や企業の中には、自分自身の適性を存分に活かせる分野や、あなたが理想とする業務環境を持つ企業があるかもしれません。
インタツアーでは、3~5名程度の学生がチームを組み、訪問企業のリストアップからアポ取り、取材までを分担して行います。そのため、自分の知らない業界や名前も知らない企業を訪問することも多く、視野を広げるチャンスに恵まれています。今まで知らなかった業界に、自分が活躍できる可能性を見つけられることが、インタツアーの大きなメリットです。
2 ビジネスマナーやルール、マインドが身に付く
インタツアーを主宰する学生就業支援センターでは、電話口での話し方や名刺の渡し方、ビジネス文書の書き方など、基本的なビジネスマナーなどのレクチャーも行っています。また、チームで仕事を進めていくので、組織で仕事をする上で欠かせない「ほうれんそう」と呼ばれる報告・連絡・相談の大切さや、仕事に対する心構えなども学べます。
このように、社会人として必要なマナーとルール、マインドなどを習得したら、企業訪問の場で実体験できることも大きなメリットです。単なる知識で終わらせることなく、どのような場面でも自然とマナーに沿った行動がとれるようになれば、実際の就職活動や就職後のスタートダッシュでつまずくこともないでしょう。
3 人事担当者を相手に、コミュニケーション経験を積める
見知らぬ相手に電話をしたり、初対面の担当者と直接会話をしたりする場面では、緊張するものです。電話では、相手の顔が見えませんので反応をつかみにくいですし、直接会えばその場の雰囲気に飲まれてしまうようなこともあるでしょう。そのため、慣れないあいだは、「何を話したのか覚えていない」ということもよくあることです。
しかし、インタツアーに参加してテレアポや企業訪問を繰り返していくと、こういったコミュニケーションに少しずつ慣れていきます。それはやがて自信となって、あなたの行動を支える力となるでしょう。また、取材中の会話から新たなポイントを見つけ、より深い質問を投げることもできるようにもなります。
さらに、取材先で待っているのは、各社の人事担当者です。採用に深く関わる彼らが何を考え、どんな人材を求めているのか。その本音を直接聞き出せる機会は、なかなかありません。そんな貴重な体験ができるのは、インタツアーならではといえます。
4 同じ意識を持つ仲間との情報交換ができる
インタツアーの参加者は、就職に対して真摯に向き合い、自分を磨くことに積極的な学生ばかりです。そのため、参加者同士が、ともに高め合うという雰囲気が自然と生まれます。チームメイトという枠を越えて、「理解し合える友人に出会えた」という声も少なくありません。
また、参加者同士で、意見交換や情報交換も盛んに行われています。それぞれが訪問した企業の様子を話し合ったり、特定の業界について語り合ったりと、レポートには表れない細かい情報や、社内の雰囲気を知ることができます。
5 学業と両立することができる
一般のインターンシップは、企業側で勤務時間が決められていることが多く、大学の時間割によって「参加したくてもできない」ということもあります。ですが、インタツアーは週1日、4時間から参加できるため、都合の良い曜日と時間帯を選ぶことができます。ほかのアルバイトとの掛け持ちもOKですので、経済的にも無理なく参加できます。また、参加時間に応じて、1日最大8,000円の「就活支援金」が受け取れることも、メリットのひとつといえるでしょう。
参加時期としては、空き時間を作りやすい大学2年生の後期くらいから、週1〜2日で参加する傾向がありますが、中には大学1年生の参加者もいます。
このように、自分自身の都合に合わせて参加できる自由度の高さが、インタツアーの魅力といえるでしょう。
インタツアーの具体的な流れ
インタツアーの業務プログラムは、どのような流れで進んでいくのでしょうか。そのフローをご紹介します。
1. 数人単位でチームとして動く
まずは、3~5人前後でチームを作ります。ここから先の作業は、基本的にこのチーム単位で行います。業務は、学生就業支援センターのデスクを拠点に行うことになりますが、チームメンバーが同じ時間に学生就業支援センターに出社している必要はありません。ただし、チーム内での連絡や情報共有を怠ると、業務に支障が出ます。
2. 訪問企業をリストアップ
学生就業支援センターが用意した企業リストの中から訪問先をリストアップし、電話で訪問のアポイントを取ります。相手先の都合もあり断られるケースもありますが、快く応じていただけるように交渉します。なお、アポイントを取った人が必ず取材に行く必要はなく、チームメンバーが訪問できる曜日と時間帯で、先方の都合に合わせて取材日を調整します。
3. 訪問担当が企業研究を行う
インタビューをする前に、あらかじめ訪問先企業について十分に調べておきます。企業理念や最近の動向などをウェブサイトで調べて、質問したいことをまとめておきます。
4. 企業を訪問してインタビュー
実際のインタビューでは、何より落ち着いて対応することが大事です。また、用意した取材内容だけでなく、選考の面接では聞きづらいようなことも質問することができます。
5. 結果をレポートにまとめて報告
取材内容をフォーマットに合わせたレポートにし、学生就業支援センターの担当者に報告します。インタビューで聞き取った多くの情報から、重要な情報を取捨選択するのは慣れないうちはたいへんな作業ですが、ポイントをしぼってまとめていきます。
6. インタツアーサイトへ掲載、SNSでの拡散
報告内容を、インタツアー特設サイト「ビジコミ」に取材記事として掲載します。学生目線で書かれた内容は、SNSによる拡散も行われ、就活に励む多くの学生にとって、とても参考になるでしょう。
インタツアーを全国に広め、学生と企業に有効活用してもらう
インタツアーは、学生にとってメリットがあるだけでなく、企業にとっても有益です。学生目線での取材を受け、その記事が広がることで、より多くの学生に自社を知ってもらい、興味を持ってもらうことができるからです。また、学生視点から見た自社のイメージをまとめた情報は、企業視点からではわからない求人活動の参考になることでしょう。
このように、学生にも企業にもメリットの多いインタツアーは、2019年から対応エリアを順次拡大中です。今後は、実践的な就活スタイルとして、全国の学生と企業に有効活用してもらえる体制を整えていきます。
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