【ドラニュース】【龍の背に乗って】吉見、博志、ロド 失点の裏の必然2019年7月4日 紙面から 厳しい表現になるが、必然の敗戦。失点した3人の投手には、それだけの理由がある。 「自分をコントロールすることができなかった」とうなだれたのは、先発の吉見だ。3回途中、66球での降板。4失点で済んだのは、無死満塁を託した岡田が踏ん張ってくれたおかげだ。 7安打のうち6本は左打者に打たれた。1回は亀井(右前打)に始まり、丸に同点の中前打と大城に勝ち越しの左中間二塁打。2回にも亀井に逆転の右前打を打たれ、3回、大城、若林に連続長短打を浴びた。今季は右打者への被打率が2割4分3厘(37打数9安打)で、左打者は4割4厘(52打数21安打)と極端に悪化する。 「左へのフォークが制御できなくって…。どう変化するかが投げてみないとわからないんです」。吉見の生命線は全ての球種に意図を込め、操るところにある。どう落ちるかはボールに聞いてくれでは投球術もおぼつかない。右には制御できるのに、同じ球種でも左には不能。投手とはかくも繊細なものなのか…。 7回に逆転。直後に再逆転。復帰登板の鈴木博が打たれた4安打は、全てストレートだった。打たれないカットボールととことん打たれる150キロ。1死一、二塁から代打・阿部に4球カットボールを続け、3ボール1ストライクからたまりかねて投げたストレートを右翼線に打ち返された。 「(ストレートを)狙われているのはわかっていましたが、それまで続けていたので…。結果論ですが、それでも僕がカットボールを投げさせれば良かったのかもしれません」。捕手の木下拓は自分を責めたが、待つと決めたらとことん待ち、必ず仕留めるのが超一流だ。その上をいくには、待たれても空振りを取るレベルまで引き上げるしかない。 9回に同点。直後にサヨナラ。四球を与えた先頭打者に、次打者の初球に二盗を許す。ロドリゲスが許した今季9個目の盗塁(重盗含む)。阻止率0割。負けに不思議の負けなし…。 (渋谷真)
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