子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文に賛同をお願いします!

2019-06-22 13:39:36 | 大阪での教育破壊
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 ■抗議文への団体・個人賛同をお願いします!■
  憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での
  『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文

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 5月8日(水)、大阪市立泉尾北小学校において全校の子どもたちが参加する『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』(以下、「児童朝礼」)が行われました。「児童朝礼」では、まず小田村直昌校長が代替わりと新元号の説明をしました。なんと新天皇を「126代目」とまで紹介しています。
 その後、「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)氏(「教育勅語」を歌にし、塚本幼稚園でも歌ったことがある)がゲストとして登場しました。そこでは、明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌いました。どちらも神話上の天皇を賛美し、「万世一系」を印象づける国民主権に反する歌です。さらに「仁徳天皇」を歌う前には、教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に登場する「民のかまど」の話をしました。
 さらには、自身のオリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌いました。「行くぞ!日の丸!」は、「日の丸」を先頭にしてアジア諸国に侵略した戦前の日本軍の姿を彷彿とさせます。外国籍の子どもたち、中でもかって日本が侵略・植民地支配した国々にルーツを持つ子どもたちは、この歌によって深く傷つくのではないかと私たちは憂慮します。
 小田村校長は動向のHPで山口氏の歌や話を「とてもいいお話」「とても素晴らしいゲストでした」と絶賛しました。このような「児童朝礼」は、戦前の教育勅語教育を小学校に露骨に持ち込もうとした森友学園の「瑞穂の國小學院」に通じるものがあり、明らかに憲法違反です。公立学校でこのような集会が行われていること自体、全国的に例を見ません。
 私たちは、憲法に反する内容を子どもたちに押しつけた「児童朝礼」を行った小田村校長と、同校長を任命した大阪市教育委員会に対して厳しく抗議したいと思っています。そして同校の保護者・子どもに対してはもちろんのこと、大阪市民に対する説明と謝罪を求めたいと思います。

大阪市教委に対して抗議の申し入れを行いたいと思っています。
それまでに出来るだけ多くの団体・個人賛同を集めたいと思っています。
ぜひ、ご協力をお願いします。

■下記の要望書への団体・個人賛同を呼びかけます。
◇団体賛同の場合
  団体名をお知らせください。
◇個人賛同の場合
  お名前
  お立場(教職員、保護者、生徒、学生、研究者、弁護士、市民など)
   できればで結構です。
  お名前の公表(インターネットを含む)の有無
◇締め切りは7月7日(日)
◇送り先
メール iga@mue.biglobe.ne.jp
◇PC・スマホ用署名ページ
http://form01.star7.jp/new_form/?prm=6a6b423%2F2--21-0583fb

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■憲法を無視した大阪市立泉尾北小学校での『「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼』に対する抗議文

 5月8日(水)、大阪市立泉尾北小学校において全校の子どもたちが参加する「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼(以下、「児童朝礼」)が行われました。「児童朝礼」では、小田村直昌校長が「天皇陛下がお代りになった話と126代目であること、元号も日本古来から続いているお話」(泉尾北小HP)をしています。新天皇を「126代」とすることは、神話上の神武天皇なども含む数え方をしており、歴史的事実に反し皇室が「万世一系」であるかのように教えることに他なりません。
 その後、「児童朝礼」では「愛国の歌姫」と呼ばれている山口采希(あやき)氏(「教育勅語」を歌にし、塚本幼稚園でも歌ったことがある)がゲストとして登場しました。そこで山口氏は、明治時代の唱歌「神武天皇」「仁徳天皇」を歌いました。どちらも神話上の天皇を賛美し、「万世一系」を印象づける国民主権に反する歌です。さらに「仁徳天皇」を歌う前には、教育勅語児童読本(1940年)や修身教科書に登場する「民のかまど」の話をしました。これは、戦前の皇国臣民化教育の定番教材で、子どもたちを「臣民」に仕立て上げていったものです。2015年2月、愛知県一宮市教育委員会は、「建国記念の日」を前にした全校朝会で「民のかまど」の話をした市立中学校校長を注意をしたこともありました。
 しかし、大阪市立泉尾北小学校のHPには、この「児童朝礼」の様子が紹介されており、小田村校長は山口氏の歌・話を「とてもいいお話」「とても素晴らしいゲストでした」と絶賛しました。HP記事の最後には、小田村校長が山口氏の書いた色紙をもった写真も掲載されています。その色紙には、「皇紀2679」と書かれています。「皇紀」は神話上の天皇である神武天皇に由来するもので、戦後は公教育でも行政文書でも一切使用されていません。「皇紀」を使った色紙の画像を公立小学校のHPに載せることは不適切です。
 山口氏は、自身のオリジナル曲「行くぞ!日の丸」「令和の時代」も歌いました。「行くぞ!日の丸!」は、「日の丸」を先頭にしてアジア諸国に侵略した戦前の日本軍の姿を彷彿とさせます。外国籍の子どもたち、中でもかって日本が侵略・植民地支配した国々にルーツを持つ子どもたちは、この歌によって深く傷つくのではないかと私たちは憂慮します。大阪市がめざす「多文化・多民族共生教育」に反するものです(資料)。
 公立学校の児童朝会での山口氏の歌や話は、戦前の教育勅語教育を小学校に露骨に持ち込もうとした森友学園の「瑞穂の國小學院」に通じるものがあり、明らかに憲法違反です。公立学校でこのような集会が行われていること自体、全国的に例を見ません。
 泉尾北小に山口氏を呼び、「天皇陛下ご即位記念」児童朝礼を行ったのは小田村校長です。小田村校長は大阪市の民間人校長として5年目(泉尾北小では2年目)で、任命したのは市長と教育委員会です。小田村校長は、大阪市立小学校校長になってから、右派団体である「学ぼう会北摂」で講演をしたり、龍馬プロジェクト会長の神谷宗幣氏のインターネット番組に登場し、大阪市の人権教育や歴史教育を「偏向教育」と批判している人物です。今回の「児童朝礼」は、小田村校長が意図的に実施したことは明らかです。
 私たちは、憲法に反する内容を子どもたちに押しつけた「児童朝礼」を行った小田村校長に対して抗議します。小田村校長を任命し、「児童朝礼」を実施させた大阪市教委の責任を追及します。小田村校長と大阪市教委は、同校の保護者・子どもに対してはもちろんのこと、大阪市民に対する説明と謝罪を行ってください。

(資料)

■山口采希氏が歌った曲

□「行くぞ!日の丸!」

喜びと悲しみに
情熱が肩を組む
うつむいた日は過ぎた
時が来た まっしぐら
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ
ひたぶるに駆け抜けた
根こそぎのなにくそで
どん底も手を伸ばし
風一つ 掴んだる!
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
揺るがぬ魂 日の丸が行くぞ
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
ああ勇ましく 日の丸が行くぞ
行くぞ!行くぞ!日の丸が行くぞ!
白地に赤く 日の丸が行くぞ

□「令和の御代」

春の訪れ 風も和やかに
薫り高く 梅の花のように
うるわしき日々を 
ありのままに
咲き誇る
令和の御代に
和らぎの日々を
それぞれの心
満ち足りて
咲き誇る
令和の御代に
心寄せ合う
令和の御代に


□「仁徳天皇(唱歌)」

玉の宮居は名のみにて
あれにぞあれし 大殿に
三歳の月日 凌ぎつつ
民のかまどを にぎはし給ふ
その大御めぐみ
雨ふりしきる あしたにも
風ふきすさぶ 夕にも
大御身の上は 忘られて
民のうえのみ 思ほし給ふ
その大御心

■呼びかけ団体 
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

■ネットでみることが出来る資料
◇山口あやきブログより
《今日は大阪市立泉尾北小学校の全校集会「新天皇ご即位記念集会」で歌わせて頂き
ました(*^^*)》
https://ameblo.jp/ayaki0416/entry-12459876448.html

◇神谷宗幣氏の番組での小田村直昌校長のインタビュー動画
ぜひ、みてください。あまりにもひどいです。
https://www.youtube.com/watch?v=fIAFEDXE1ns


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大阪府内市町村教委に「<教育出版>道徳教科書は採択しないでください。」要望書を提出

2019-06-09 08:20:31 | 2019年教科書採択
子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会では、大阪府内全ての市町村教育委員会に対して、「<教育出版>道徳教科書は採択しないでください。」の要望書を提出しました。

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教育委員会 教育長様
教科書選定委員会様
                    2019年6月8日
     子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会
                    
2020年度使用小学校教科書の採択にあたっての要望書(その2)
<教育出版>道徳教科書は採択しないでください。

 貴教育委員会の日頃の教育へのご尽力に敬意を表します。
 今年度の小学校教科書の採択にあたって、私たちは既に貴教育委員会に要望書と公開質問状を提出させていただきましたが、さらに<教育出版>道徳教科書は採択しないでほしいとの要望書を提出いたします。また、社会科についても若干の意見を書かせていただきましたので、慎重にご検討のうえ、「人権・平和・共生」を最も大切にしている教科書を採択してくださるように、切に要望いたします。

1.<教育出版>道徳教科書の問題点
(1)自国中心主義は他国への排外主義につながる危険性があります。
<教育出版>は2年前の採択の際に市民・識者から厳しい批判を受けた5年「下町ボブスレー」(安倍首相の裏ピース写真を掲載)を削除しましたが、4年「日本人が世界に広めたすごいもの」など過度に「日本人のすごさ」を強調した教材があります。
どこの国にもすごい物はあり、すごい人はいます。ことさら「日本人」だけを強調するのは、子どもたちに一方的な「優越感」を植えつけ、他国をおとしめることにつながりかねず、外国籍の子どもたちにつらい思いをさせることにもなります。

(2)「礼儀」にこだわり、形を押しつけています。
<教育出版>は低学年の子どもにあいさつの仕方や職員室への出入りの仕方などの「礼儀作法」を事細かに教えていますが、なぜそうでなければならないのかと考えさせることもなく、無条件にこれが正しいと教えています。「考える道徳」の必要性が学習指導要領では述べられていますが、まったく真逆の教材です。

(3)男女の性差を強調し、LGBTの子どもへの配慮がありません。
5年「男子と女子が協力し合って」では「男子には男子のよさが、女子には女子のよさがあります」と書かれており、男女の性差を強調しています。今日では「性」は単純に「男女」に分けられないというのが社会的常識になっており、学校教育では特に配慮が必要です。この教材は子どもたちに誤った認識を与え、LGBTの子どもを傷つける可能性があります。
また1年生では座る姿勢を教える写真がありますが、男女の手の置き方が違っており、性差を強調しているのも問題です。

(4)偉人伝が多く、「偉人」の負の側面には全く触れていません。
 <教育出版>は他社にくらべ群を抜いて「偉人」伝が多く、6年生では年間の授業の半分以上が「偉人」の学習になっています。しかし、実在の人物には多面性があり、歴史的・社会的な批判も数多く、現在生きている人物にはこれから何があるかわかりません。子どもたちに道徳的なロールモデル(めざすべき人物像)として特定の人物を示し、「道徳性」を養おうとするのは無理があります。
 例えば、<教育出版>は3年と6年で2回も西郷隆盛を取り上げていますが、西郷隆盛は「征韓論」を主張し、後の日本の侵略戦争・朝鮮植民地支配に大きな影響を与えました。このような歴史上の人物は歴史学習の中でその人物が歴史的に果たした役割を学ぶべきであり、道徳教科書で扱うのは不適切です。

2.その他の道徳教科書の問題点

(1)他社の偉人伝にも問題があります。
<光文書院>6年「誠実な人―吉田松陰」)は、吉田松陰を正直な人物として取り上げ、明治の日本をけん引した弟子を育てた人物として、子どもたちがお手本にするように示しています。しかし吉田松陰は獄中で書いた『幽囚録』で、朝鮮半島は勿論のこと、カムチャッカからフィリピンまで広くアジア地域を植民地にすべきと主張した人物であり、弟子たちは師の教えに忠実に日清・日露戦争を進めました。西郷隆盛同様、彼らが歴史上果たした役割にはまったく触れず、道徳教科書で「人格的すばらしさ」ばかりを強調するのは不適切です。
<学研教育みらい>6年「どれい解放の父リンカン」は、南北戦争時のアメリカ大統領リンカーンを取り上げ、「自由・平等」のために黒人を奴隷から解放したことが強調されています。しかし、リンカーンは黒人に対しては非常に差別的だったとか、奴隷解放は当時の北部が黒人を白人よりも低賃金で雇えるようにするために行ったものであり、リンカーンは自らを「奴隷解放論者ではない」と強調していたとか、多くの文献が示しています。リンカーンが奴隷制度をやめさせたことは歴史的にも高く評価すべきことですが、リンカーンの人格からもっぱら子どもたちに説明するのは無理があります。

(2)「星野君の二塁打」は極めて不適切な教材です。
昨年、「日大アメリカンフットボール事件」との関連で話題になった「星野君の二塁打」が、<東京書籍>6年、<学校図書>6年、<廣済堂あかつき>6年の3社に掲載されています。監督の指示に従わなかった選手に「出場停止」の罰が与えられるという教材ですが、「規則・ルール」には無条件に従わなければならない、違反すれば厳罰が待っていると脅すのは、子どもたちから考える力や自主性を奪いかねません。

3.社会科教科書について

<東京書籍>社会科教科書には多くの問題点があります。
<東京書籍>は6年「新聞を読もう」というコラムで、「改憲議論を呼びかける安倍首相」の写真入り記事や、最高裁が一票の格差をめぐる裁判で「合憲」とした判決の記事を載せています。教科書は時の政権や政党の宣伝パンフレットではありません。国民の世論がわかれている問題で、たとえ新聞記事であっても政権寄りの論調だけを掲載するのは不適切です。公平・公正が求められるのが教科書です。
<東京書籍>6年の「平和主義」のページには日本国憲法9条に関する記述がなく、「自衛隊が日本の平和と安全を守っている」と強調されています。9条は日本国憲法の前文とともに「平和主義」の内容を定義した重要な条項であり、「憲法改正」も主要には9条をめぐって論争が起きているにもかかわらず、9条を教えない教科書は不適切です。

これらは教科書の問題点のごく一部です。教職員の意見、市民の意見なども参考にして、厳密に教科書を検討し、「人権・平和・共生」という人類普遍の原則を大切にしている教科書を採択してください。
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教科書展示会に行き、意見を書いてください!

2019-06-08 10:24:53 | 2019年教科書採択
現在、小学校教科書採択について、
各地で教科書展示会が始まっています。
ぜひ、教科書展示会に行き、市民アンケートに皆さんの意見を書いてください。

*採択してはならない教科書名と、採択してほしい教科書名を、理由と共にはっきり書いてください。
*教科書は文科省の学習指導要領にもとづいて作成されているため、どの教科書も問題があります。この資料では、特に「道徳」と「社会科」について、「人権・平和・共生」の観点から問題のある教材と、比較的良い教材を紹介しました。教科書を読む際の参考にしてください。
*他の教科も含めてご自分の視点で吟味し、よりましな教科書を選んでください。

■今年の小学校教科書採択に関する大阪府内の教科書展示会の日程表です。


大阪府教科書センターから
http://www.pref.osaka.lg.jp/shochugakko/kyoukasyosenta/index.html

■また、教科書展示会で意見を書くときの参考資料も下記から取り出せます。
ご活用ください。
https://www.data-box.jp/pdir/53175c24bfbf4ed4b7f10c1792aaccb1
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大阪中学生チャレンジテスト「校長先生の悲鳴」

2019-05-31 20:51:38 | 全国学力テスト
子どもをテストで追いつめるな!市民の会からの紹介です。

橋下・吉村・松井維新による政治介入の結果、
大阪では、中学生も教員も、過度なしかも不公正な競争主義に陥れられています。

子どもをデータ化し、学校・子どもを選別する「チャレンジテスト」に対し、
大阪市立中学校長会が、昨年アンケートを実施しました。
きっかけは、中3チャレンジテストが再々延期により実施されたことに対して公正性を問おうと
したものですが、記述回答には、制度そのものへの怒りや嘆きが書かれていました。
校長がこれほど、行政の方針に真っ向から声をあげているのは珍しいかもしれません。
これは、府議会でも取り上げられました。

「子どもをテストで追いつめるな!市民の会」は、
情報公開制度により入手して、この校長アンケートを
リンクフリーのpptとその動画をYouTubeにアップしました。

チャレンジテストの問題点は、まだまだ市民の間では知られていませんが、
この機会にぜひご覧になって、今大阪の教育がどのようになっているか、
ぜひとも、知っていただきたいと思います。

また視聴のうえ、できましたら、
ブログ、ML等でさらに拡散していただければありがたいです。

【拡散のお願い】
チャレンジテスト(大阪府中学生統一テスト)「校長先生の悲鳴」
https://www.youtube.com/watch?v=_gLgQH9VRt8&feature=youtu.be

チャレンジテスト(大阪府中学生統一テスト)「校長先生の悲鳴」
https://1drv.ms/p/s!ApYYtT1Gj3-JgZ15Kmz9gJzelapf1g

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吉村市長(当時)と大森特別顧問のメール「不存在」問題で公開質問書

2019-05-25 11:18:17 | 全国学力テスト
子どもをテストで追いつめるな!市民の会が、吉村市長(当時)と大森特別顧問のメール「不存在」問題で、大阪市秘書課と教育委員会に公開質問書を提出しました。

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2019年5月25日
大阪市政策企画室秘書部秘書担当(秘書グループ)様
大阪市教育委員会 様

学力テスト結果の校長評価反映を含む新方針の作成過程での
吉村市長(当時)と大森特別顧問のメールが「不存在」となったことに対する公開質問書

子どもをテストで追いつめるな!市民の会

 当会の会員が2月27日付けで「吉村市長と大森不二雄氏との間で交わされたメールの全て」情報公開請求したところ、秘書部より「吉村市長と大森不二雄氏との間で交わされたメールが実際に存在しないため」「不存在」決定通知(大政第e-56号)を受け取りました。
 同時に情報公開請求していた大森不二雄氏と山本教育長、大阪市教委事務局との間のメールは、大阪市教育委員会総務部より一部公開されました。そこには、吉村市長と大森氏がメール交換していたことがはっきりと記載されていました(資料①)。
 そこで、吉村市長(当時)と大森特別顧問のメールが、なぜ「不存在」となっているのか、秘書部に問い合わせたところ、5月17日、大阪市政策企画室秘書部秘書担当から回答が届きました。そこには、「吉村市長は、個人で設定した私的メールアドレスを用いたメールにより、やり取りを行っていました。」とありました。
 吉村市長と大森特別顧問のメール内容は、学力テストの校長評価反映を柱とした「学力向上に向けた総合的な制度構築」の方針案に決定的な役割を果たしています。その理由は、①両者のメールでは、「添付ファイル(案)」として方針案そのものを提示していたり、吉村市長から方針案の「了承」を知らせたりするものが含まれており、実質的に方針案の審議と作成が行われています。②両者のメール内容は、結果的には大森特別顧問によって大阪市教委に転送されており、市教委内での議論で共有されています。このような教育政策立案に関わるメールが、吉村市長の私的アドレスからやり取りをされること自体、極めて不適切です。
 2016年に大阪地裁は、橋下前市長が個別の職員とやりとりしたメールを非開示としたことに対して、公文書として認定し、「開示すべき」との判決をくだし、2017年9月の大阪高裁で確定しています。判決はいずれも、吉村市長になってから出されたものであり、この判決を吉村市長が知らないはずはありません。にもかかわらず、公務に関するやりとりの一部をあえて個人メールで行う行為は、故意に一部公文書情報を隠匿する目的を持った行為と言わざるを得ません。
 そこで、改めて大阪市政策企画室秘書部に対して吉村市長メール「不存在」問題について質問します。文書による回答及び、この問題での「協議」の場の設定を求めます。

質問内容

【1】大阪市政策企画室秘書部に対して

1.大阪市政策企画室秘書部は、私たちの質問に対して「通常、私的メールアドレスは個人的な用件などの場合に使用するものですが、その内容が公的な情報となり、業務上必要なものとして、組織共有すべきものである場合は、担当する所属において公文書として適切に管理しています。」と回答しています。
 今回の吉村市長と大森特別顧問のメール内容は、本来ならば「業務上必要な」情報、つまり公文書に相当するものだと考えます。大阪市は、吉村市長と大森特別顧問のメール内容が「公的な情報」「業務上必要な」情報を含んでいたと考えていますか。

2.先の秘書部の回答では、私的メールアドレスであっても、「その内容が公的な情報となり、業務上必要なものとして、組織共有すべきものである場合」は、公文書として適切に管理しているとしています。今回の吉村市長・大森特別委顧問メールが「不存在」ということは、秘書部が吉村市長メールを「公的な情報」ではない、「業務上必要なもの」でもない、従って「組織共有すべきもの」と考えていなかったと読めます。もしそうであるならば、だれがそのように判断したのか明らかにしてください。

3.吉村市長と大森特別顧問のメール交換は、吉村市長の私的メールアドレスで行われていました。私たちは、メールの内容が「業務上必要な」情報であることから、私的メールアドレスでのやり取りは不適切だと考えます。大阪市の見解を明らかにしてください。
 また、見解の根拠となる情報セキュリティールールに関する規則(要綱)を明らかにしてください。

4.吉村市長は、なぜ、公用メールアドレスを使用して大森特別顧問とやり取りをしなかったのでしょうか。その理由を明らかにしてください。

5.吉村市長が今回使用した私的メールドレスは、大阪市の公用PCから送受信したものか、吉村市長の私的PCから送受信したものか、明らかにしてください。

6.大阪市政策企画室秘書部は、吉村市長と大森特別顧問とのメール交換を、いつの段階で、どのような内容として把握したか明らかにしてください。


【2】大阪市教育委員会に対して

1.大阪市教育委員会は、吉村市長が大森特別顧問とのメールの交換を「私的メールアドレス」を使って行っていたことを知っていましたか。知っていたとしたら、いつの段階で知りましたか。

2.大阪市教育委員会は、吉村市長と大森特別顧問とのメールの交換を「個人的な用件」と理解していたのですか、それとも「公的な情報」「業務上必要なもの」と理解していたのですか。

3.4月26日付けで、大阪市教育員会から情報提供された大森特別顧問と山本教育長、川本教育政策課長とのメールやり取りには、大森特別顧問から転送された吉村市長と大森特別顧問のメールが「非公開」となっています。「非公開」とした理由を明らかにしてください。

4.「学力テストの校長・教員給与反映を含めた全国学力・学習状況調査結果を受けた対応について、吉村市長と山本教育長、大阪市教育委員会事務局との間でのメール内容」を情報公開請求したところ、5月21日付で大阪市教育委員会から「該当がありませんでした」との回答を受け取りました。
 吉村市長の私的メールアドレスからのメールも全くなかったということでしょうか。それとも私的メールアドレスを通したメールはあったということでしょうか。

   以上

資料① 吉村市長と大森特別顧問がメール交換していたことがわかる大森特別顧問のメール等

(1)2018年8月16日 大森特別顧問→川本教育政策課長
「本日、昨日の面談を踏まえ、市長へメール差し上げたところ、3回に分けて市長からご返信がありましたので、下に転送します。」

(2)2018年8月20日 大森特別顧問→川本教育政策課長
「市長へ昨日お送りしたメールを添付ファイルと共に転送します。」

(3)2018年8月24日 大森特別顧問→川本教育政策課長
「標記の件に関し、先程、吉村市長へメール差し上げましたので、添付ファイルともども転送します。」 

(4)2018年8月27日 大森特別顧問→川本教育政策課長
「これから25日以降の市長とのメールやり取りを転送いたします。」

(5)2018年8月27日 大森特別顧問→川本教育政策課長
「25日~27日の市長とのメールやり取りを踏まえた最終案を添付ファイルいたします。」

(6)2018年8月27日 川本教育政策課長→大森特別顧問
「市長とのメールも確かに受け取りましたので、併せて(松浦課長に)転送しておきます。」

(7)2018年8月31日 大森特別顧問→川本教育政策課長
「下に転送するメールやり取りの通り、市長へ添付ファイルの資料をお送りし、ご了承いただきました。」

(8)2018年9月1日 1:28及び1:34 大森特別顧問→山本教育長
「大森先生 転送します。 吉村」

(9)2019年1月4日 10:43 大森特別顧問→山本教育長
「年末に市長とメール協議を重ねた結果、添付ファイル(案)で進めてほしいとの指示を頂きました。」

(10)2019年1月22日 大森特別顧問→川本教育政策課長
  「早速、市長とメールのやり取りさせていただき、ご了承いただきました。」 
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