ディスクの健康状態をチェック&監視
ハードディスクやSSDを使い続けていると、断片化だけではなく様々な問題が発生する。ドライブが正常に動いていないと、起動時間が長くなったり、動作が不安定になったりと、PC全体の動作に影響する。使用しているディスクは元気に動作しているのか、不具合があるのか、あるいは寿命は大丈夫か。このような不安がある人に使ってほしいのが、「CrystalDiskInfo(ひよひよ氏作)」だ。
CrystalDiskInfoは、ハードディスクやSSDが自己診断システムによって分析した情報(「S.M.A.R.T」と呼ばれる)を読み出し、日本語で分かりやすく表示する。ドライブの健康状態を「正常」「注意」「異常」「不明」の4段階で分かりやすく示してくれるのだ。似たような機能は「Auslogics Disk Defrag Free」にもある。ただし英語表記なので、日本語の画面がよければCrystalDiskInfoをお薦めする。
作者のWebサイトからは、3種類の「CrystalDiskInfo」がダウンロードできる。機能は同じでデザインが異なるだけなので、好みのエディションをダウンロードしよう。よく分からないなら「通常版」の「exe」ファイルを選べばよい。
起動すると同時に接続されているドライブの状態がチェックされる。「健康状態」が「正常」なら一安心。「注意」や「異常」と診断されたら、診断結果をもう少し詳しく見ていこう。
画面下部の表は、診断項目ごとの数値を示す。診断項目や診断の基準になる「しきい値」は、ドライブの機種によって異なる。例えば、多くのSSDでは「残り寿命」が表示されるが、ハードディスクでは表示されない。これは、使用頻度によって寿命がある程度予測できるSSDの特性によるものだ。
全般的に、「現在の値」が「しきい値」より低くなると「異常」診断となり、劣化している可能性が高い。また、項目によっては「生の値」が「1」を超えただけで「注意」表示になることもある。ちなみに「最悪値」は、過去に最も悪かったときの値なので、「現在の値」がこれより低いと劣化が進んでいることになる。
機種にかかわらず注意したいのが、「代替処理済のセクタ数」「代替保留中のセクタ数」「回復不可能セクタ数」の項目。データの読み出しが正常にできない箇所があることを示す数値なので、極端に数値が大きい場合や以前より悪化している場合は、バックアップなどの対処を早急に実施する必要がある。「リードエラーレート」や「シークエラーレート」の数値が悪くなっている場合も注意が必要だ。
「健康状態」の下に表示される温度は、45度を超えるとディスク寿命に影響を与えるといわれている。PCの電源をオフにして、PC内にほこりなどがたまっていないか確認しよう。ほこりがたまっていると、PCの内部と外部の空気の通りが悪くなりディスクなどが熱を持つことがある。
診断結果が良ければ、絶対故障しないということではない。あくまでも危険度の予測にすぎないが、状況を把握して対処すれば、より安全性を高められる。