一晩で気持ちの整理をつけ、前を向いた。ナゴヤ球場で荷物をまとめ、チームメートと別れを惜しんだ松井雅。「悪い話じゃないし、チャンス。野球をするのは一緒だし、やるしかないので頑張ります」と自分に言い聞かすように話した。
初のサヨナラ勝ちを収めた前夜の阪神戦(ナゴヤドーム)で歓喜の輪に加わった直後の通達。「10年過ごして、愛着もあったし、球団も好きだった。複雑なのが正直なところ」。それでも「プロである以上、あり得ること」と受け止めた。
捕手が足りないオリックスでは、入団してすぐにマスクをかぶる可能性も高い。「1軍で結果を出してこその恩返しだと思う。名古屋で応援してくれる人に元気なところを見せられれば」と意気込んだ。
同期入団の松井佑も「まさかとは思いましたけど、10年間やらせてもらってドラゴンズには感謝しかない」とひと言。「寂しいけど、大阪は地元ですし、パ・リーグでどれだけできるかという楽しみもある」と前向きに捉え、この日も室内練習場でマシン打撃に励んだ。 (高橋雅人)